韓国釜山でベテラン海女2名が溺死、低水温の冷水塊が事故に影響か

韓国釜山の海岸で8月23日に発生した海女2名の死亡事故について、蔚山海洋警察署は27日、司法解剖の結果、死因が「溺死」であったと発表しました。事故に遭った71歳と77歳の女性は、いずれも50年以上の経験を持つベテラン海女で、いとこ同士でした。この痛ましい事故は、冷水塊注意報が発令されていた海域で起きており、海水温の急激な低下が潜水作業に与えるリスクが改めて浮き彫りとなっています。

事故発生時の状況と遺族の疑念

事故は23日午前10時頃、釜山・機張郡の日光海水浴場付近で発生しました。2名の海女はその場で心肺停止状態となり、死亡が確認されました。長年の海女経験を持ち、腰に鉛の重り(納錘)を着用して深所に潜ることも可能だった2人の突然の死に対し、遺族側は当初、「感電死」の可能性を主張していました。事故当時、付近には水上ボートがいたこともあり、遺族は詳細な原因究明のため司法解剖を求めていました。

海洋警察の初期調査では、事故当時の気象状況や波の高さに特異点は確認されず、感電を示唆する明確な痕跡も見つかりませんでした。このため、遺族が主張する感電死の可能性は低いとされています。

韓国釜山沖での海女の潜水活動イメージ、海上での作業リスクを想起させる韓国釜山沖での海女の潜水活動イメージ、海上での作業リスクを想起させる

海洋警察の調査結果と「冷水塊」の関連

一方、事故が起きた海域を含む蔚山から釜山にかけての沿岸部では、1週間以上にわたり「冷水塊注意報」が出されていました。冷水塊とは、気圧の谷が南下することで海水温が急激に低下する現象です。事故当時の水温は13〜15度と、同時期の江原道周辺の25度前後と比較して著しく低い状態でした。

このような低水温下での潜水作業は、体に大きな負担をかけます。低体温症や筋肉の痙攣を引き起こす恐れがあり、特に体力の消耗しやすい高齢者にとっては、命に関わる深刻なリスクとなります。今回の事故における死因が「溺死」とされたことから、冷水塊による急激な体温低下や体の機能不調が、潜水中の予期せぬ事故につながった可能性が指摘されています。

今後の捜査と教訓

蔚山海洋警察署は、今回の事故に関する追加の解剖と詳細な調査を進めています。ベテランの海女が命を落とすという痛ましい事故は、海のプロフェッショナルであっても、自然環境の急激な変化がいかに危険であるかを浮き彫りにしました。高齢者が潜水作業を行う際には、海水温や体調など、これまで以上に安全管理を徹底し、潜在的なリスクを評価することの重要性が改めて問われています。

今回の事故が、今後の潜水作業における安全対策の見直しや、冷水塊などの海洋環境変化に対する意識向上につながることが期待されます。

(c)KOREA WAVE/AFPBB News