務安空港のチェジュ航空事故、国土交通部が危険構造物撤去を黙殺した経緯

昨年12月に務安空港で発生したチェジュ航空機の事故を巡り、その決定的な原因の一つとされる「コンクリート製の構造物」について、韓国国土交通部が撤去する機会を少なくとも3度にわたり黙殺し、問題が放置されていたことが明らかになった。務安空港はかつて地元大物政治家の名前を冠し政治的に注目されたものの、開港後は管理がずさんで、それが事故拡大につながったとの指摘も出ている。

3度にわたる撤去機会の黙殺

国会国土交通委員会所属の金恩慧議員(国民の力)が国土交通部から入手した資料によると、務安空港が開港する直前の2007年、韓国空港公社は同部に警告を発していた。滑走路の末端から300メートル以内の地点に「ローカライザー(着陸誘導システムの方位角装置)の土台」であるコンクリート構造物が存在し、設置基準に合致せず「障害物」と見なされるため補完が必要だと指摘したのだ。しかし、当時の盧武鉉政権下の国土交通部はこの指摘を黙殺。「航空機の安全運航に直接の影響がない」として、空港の運営を可能にする「航空運営証明」を認可した。その後、国土交通部は18年間にわたり毎年「空港運営検査」を実施したが、その検査でもローカライザーとコンクリート構造物には問題がないとして「S(満足)」と評価し続けていた。

昨年12月31日、務安空港で発生したチェジュ航空7C2216便の事故現場を詳細に調査する韓国警察の科学捜査隊。周辺のコンクリート構造物が事故原因との関連性も視野に入れている。昨年12月31日、務安空港で発生したチェジュ航空7C2216便の事故現場を詳細に調査する韓国警察の科学捜査隊。周辺のコンクリート構造物が事故原因との関連性も視野に入れている。

安全基準の矛盾と専門家の懸念

韓国空港公社がこのコンクリート構造物を危険な障害物と分類し、補完を指摘したのは、「滑走路端安全区域(RESA)」が極めて短かったためだ。航空機の滑走路逸脱に備えて設けるこの安全区域は、着陸帯の端から240メートルを確保するのが望ましいとされるが、務安空港ではわずか199メートルしかなかった。この安全区域の不足が、事故の懸念を高めていたのである。専門家は、国土交通部が当時、韓国空港公社の意見を退け「滑走路端安全区域内のコンクリート構造物は問題がない」と記述した点に注目している。国土交通部はこれまで、コンクリート構造物は安全区域の外側にあるため問題ないと主張してきたが、当時の見解はこの主張と矛盾する。この長年の黙殺と矛盾する対応が、今回の事故の遠因として厳しく問われている。

結論

務安空港で起きたチェジュ航空機の事故は、単なる偶発的な出来事ではなく、韓国国土交通部による安全基準軽視と警告の長期的黙殺が背景にあったことが浮き彫りになった。国民の安全を最優先すべき政府機関が、専門家の指摘を無視し、問題を18年間にわたり放置した責任は重い。今回の事故を教訓に、徹底した原因究明と再発防止策、そして責任者の厳正な処分が求められる。

参考文献