天皇皇后両陛下が那須でのご静養に入られ、秋篠宮ご夫妻の長男悠仁親王殿下の成年式のご準備が進む中、宮内庁は8月29日、令和8年度予算の概算要求を公表しました。情報発信強化のためのSNS活用、施設改修・防災工事費用などが盛り込まれ、総額約197億7千万円が要求されています。国民の物価高騰に苦しむ生活に配慮し、天皇皇后両陛下と愛子さまは今年もティアラなどの宝飾品の新調を見送られることになりました。
宮内庁内部で特に注目を集めたのは、愛子さまの専従職員を2人増員し、計3人体制とすることが明記された点です。これは、来年以降、愛子さまの公的なご活動をいっそう増やしていくという天皇ご一家の方針が明確に示されたものと、宮内庁関係者は見ています。
令和7年春季雅楽演奏会にご出席された愛子さま。週末も公務に励むご様子を捉えた写真。
宮内庁の令和8年度予算要求:愛子さまの新たな体制
令和8年度予算の概算要求は、皇室の広報活動の充実、施設の安全対策強化などを目指すもので、その中で愛子さまのご活動を支える体制強化が重要な柱となっています。専従職員の増員は、愛子さまが成年皇族として担うべき公務の範囲が広がり、その一つ一つに真摯に向き合われるご姿勢を後押しするための措置と言えるでしょう。
昨年、日本赤十字社にご入社され、スーツ姿で職場に向かわれる愛子さま。
相次ぐ公務と「激務」への懸念
愛子さまは、9月6日土曜日から新潟県を訪問され、「防災推進国民大会2025」にご出席予定です。その後、2004年の新潟県中越地震で被災し復興を遂げた山古志村(現・長岡市)を視察し、住民との交流も計画されています。さらに12日金曜日からは天皇皇后両陛下と長崎県を訪問し、平和公園でのご供花・ご拝礼、被爆者とのご懇談に臨まれるなど、多忙な日程が続きます。
こうした公務に真摯に取り組まれる愛子さまのお姿は国民の喜びですが、宮内庁内ではそのハードワークを懸念する声も上がっています。皇室担当記者は、愛子さまのご勤務先である日本赤十字社青少年・ボランティア課でのご様子について言及し、8月下旬の研修会対応や学生ボランティア研修など、夏場は非常に忙しい時期にあたると指摘します。平日は連日ご出勤され、20時を過ぎての退勤も珍しくなく、土日に出勤されることもあったとのことです。
今年に入ってからも、4月の春季雅楽演奏会、5月の世界災害救急医学会、能登半島地震被災地ご訪問、7月の皇后雅子さまとのご養蚕作業など、多くの公務が土曜日や日曜日に行われてきました。新潟、長崎ご訪問も週末にかかる日程であり、休む間もないほどご活動に邁進される愛子さまのご様子に、両陛下も「疲労で愛子が体調を崩さないか」と深く案じていらっしゃるようです。今回の那須での3泊4日のご静養への合流は、両陛下のご配慮により、愛子さまに少しでも休息を取っていただきたいというお気持ちが込められていたと推察されます。
雅子さまを支える「皇族としての使命感」
無休ともいえるほど精力的にご活動される愛子さまの背景には、どのようなお気持ちがあるのでしょうか。前出の宮内庁関係者は、幼少期に風邪で学校を休むことが多かった愛子さまを知る人々が、今年に入ってからのご活動ぶりに一様に驚いていると述べます。愛子さまがこれほどの境地に至られたのは、20年近くご病気と闘いながらも懸命に公務に臨まれてきた雅子さまのお存在が大きく影響しているとの見方を示しています。身近で雅子さまのご苦労とご努力を間近でご覧になってきたからこそ、「一刻も早く皇族として一人前に」という強い思いを抱き、結果を出していかなければならないという覚悟を持たれたのではないかと推察されています。
公私ともに手を携え、支え合われる雅子さまと愛子さまのご関係について、皇室番組を手がける放送作家のつげのり子氏は、天皇ご一家でお出ましの際、愛子さまがご体調に波がある雅子さまをそばから支えようとされている様子がよくわかると語ります。また、公務における愛子さまのお姿からは、雅子さまが皇后として的確なご助言をなさっていることも見て取れるとのことです。つげ氏は、愛子さまが職場環境に慣れ、公務との両立という点でご自身のペース配分を体得されてきていると述べ、さらに公務を通じた国民との交流で喜びや皇族としての使命への自覚を一つ一つ積み重ねていらっしゃると拝察しています。これからも雅子さまと力を合わせ、いっそうご活動の幅を広げていかれることでしょう。
奮励努力を続ける愛子さまは、天皇皇后両陛下に見守られながら、いかなる困難も乗り越え、国際社会においても輝かしいご活躍を見せてくださるに違いありません。
参照元:
- 「女性自身」2025年9月16日号