片山さつき氏、新財務大臣に就任で注目:過去の「トラブルメーカー」ぶりと手腕への懸念

10月21日、首相指名選挙を経て自民党の高市早苗総裁(64)が第104代内閣総理大臣に選出され、新たな内閣が発足しました。新閣僚への関心が高まる中、財務大臣に就任した片山さつき氏(66)に大きな注目が集まっています。第4次安倍改造内閣で地方創生担当相を務めて以来の要職就任となる片山氏ですが、その過去の言動から、手腕への期待とともに懸念の声も上がっています。国の財政を司る「金庫番」として、その舵取りが問われることになります。

新内閣の「金庫番」としての重責:経済対策と財源問題

高市新内閣が最優先課題に掲げる経済対策は、ガソリンの暫定税率廃止や「年収の壁」の引き上げなど、実現には巨額の財源が必要となる政策が目白押しです。このような状況下で、財務大臣という国の財政を一手に担う片山さつき氏の役割は極めて重要です。長年にわたり財務省でキャリアを積み、23年間務めた経験を持つ片山氏の手腕には、金融市場からも期待の声が多数聞かれます。しかし同時に、その過去の数々の「失言」や「トラブル」から、不安視する声も少なくありません。

片山さつき氏、新財務大臣に就任で注目:過去の「トラブルメーカー」ぶりと手腕への懸念

国会での「遅刻」と「失言」問題:相次ぐ陳謝の経緯

片山氏はこれまで、その言動が国会で問題視され、たびたび謝罪に追い込まれてきました。特に記憶に新しいのが、生活保護を巡る発言で批判を受け、謝罪に至った件です。

さらに、2015年3月30日には参議院の外交防衛委員長を務めていた際、理事懇談会に遅刻し、会議が取りやめとなる事態を招きました。その前月にも理事会への遅刻があり、2度目の失態とあって大きな批判の的となりました。片山氏は「大変、申し訳なく、悔しく、本当に、本当に、申し訳なく思っております。これからもご指導を賜って……、ご指導を賜って、職責を果たしてまいりたいと思います」と涙ぐみ、声を詰まらせながら陳謝しています。

この他にも、片山氏の「トラブルメーカー」ぶりは散見されます。2014年10月には、公正な立場である委員長でありながら、事前に「大臣答弁用の想定問答」メモを参照して議事を進行するという問題を起こし、謝罪しました。また、その前月の9月には、自身のTwitterに事実と異なる民主党への批判を投稿し、参議院幹事長から厳重注意を受けるなど、自身の言動が度々波紋を呼んでいます。

加計学園問題における「離れ小島」発言と謝罪

2018年11月にも、片山氏は過去にテレビ討論番組で加計学園の獣医学部新設を巡り四国を「離れ小島」と述べたとして野党から批判を浴び、再び国会で謝罪を余儀なくされました。同月には、予算編成に向けた要望書の提出に訪れた徳島県知事と面会し、「そういうつもりは全くなかった」などと釈明に追われる事態となりました。この発言は、地域の感情を逆なでするものとして、強い反発を招きました。

身内からも「除名」勧告:二階派との確執

片山氏への批判は、野党にとどまらず、身内からも向けられたことがあります。2022年2月には、片山氏が当時所属していた二階派が、片山氏に「退会勧告」、すなわち事実上の「除名」を突きつけるという異例の事態が発生しました。片山氏は年末から同派の会合を欠席し、他派への入会の可能性も報じられていましたが、同派幹部とは連絡が取れない状態が続いていたとされています。同派が所属議員に退会勧告を出すのは片山氏が初めてのケースでした。

これに対し片山氏は、12月の時点で退会の意向を伝えていたと主張し、「勧告は嫌がらせだ。名誉毀損」などと反論しました。しかし、同派の幹部らは片山氏の主張に対し「事実無根だ。自己保身的」などと文書で発表し、身内からも厳重な注意を受ける形となりました。この一連の騒動は、派閥内での人間関係や政治家としての信頼性にも疑問を投げかけるものでした。

結論

高市新内閣の財務大臣という重要なポストに就任した片山さつき氏。その経歴と財務省での経験は、現在の日本経済が直面する課題に対処する上で大きな期待を寄せられる一方で、これまでの数々の「遅刻」「失言」「トラブル」は、その適格性や発言の安定性に対して拭い去れない懸念を残しています。金融市場の動向にも影響を与えかねない財務相の発言の重みを鑑み、片山氏が「トラブルメーカー」ぶりを発揮せず、安定した手腕を発揮することを強く期待するばかりです。

参考文献

  • 時事通信
  • 全国紙政治部記者による報道