武蔵小山はタワマンだけじゃない!再開発で進化する「東洋一の商店街」の魅力

現代の日本において、都市の景観はタワーマンション(タワマン)の増加によって大きく変貌を遂げています。2024年末時点で全国に1561棟ものタワマンが存在すると言われ、それぞれの地域で生活、景観、そして価値に大きな影響を与えています。しかし、その足元には、昔ながらの生活圏や商店街が今も息づいています。本稿では、縦に伸びるタワマンの陰に隠れがちな、横に広がる街の魅力に注目し、「タワマンだけじゃない街」の姿をリポートします。特に、タワマンの聖地として知られる武蔵小杉に対し、「本当の“ムサコ”はこっちだ」と住民が口を揃える武蔵小山を深掘りします。

「東洋一」と称された武蔵小山商店街パルムの歴史と現在

東急線の武蔵小山駅(東京都品川区小山3-4-8)の西口を出てロータリーを半周すると、V字に分かれた武蔵小山商店街パルムのアーケードが始まります。この商店街は1956年(昭和31年)に初代アーケードが完成し、当初の全長470mは「東洋一のアーケード」と称されるほどでした。その後も延長を重ね、現在では全長800mにも及ぶ大規模な商店街として、地域住民の生活を支え続けています。その歴史と規模は、まさに地域文化と商業活動の象徴と言えるでしょう。

タワマン群と同時進行する都市開発の波

現在の武蔵小山駅前には、「シティタワー武蔵小山(2021年6月竣工)」や「パークシティ武蔵小山ザ タワー(2020年1月竣工)」といった複数のタワーマンションが既に建ち並んでいます。これに加え、近隣では「小山三丁目第1地区第一種市街地再開発事業」や「小山三丁目第2地区第一種市街地再開発事業」といった大規模な都市開発プロジェクトが同時進行しており、タワマンの建設は今後も続くと見られています。これらの再開発は、武蔵小山の街の姿をさらに大きく変化させていくことでしょう。

武蔵小山駅前にそびえ立つ複数のタワーマンション群武蔵小山駅前にそびえ立つ複数のタワーマンション群

再開発が進む商店街の類型と未来

これまで多くの街を取材してきた経験から、商店街には大きく分けて3つのタイプがあると感じています。一つは、武蔵小山パルム商店街のように駅を起点とする「駅直結型商店街」。二つ目は駅から少し離れた住宅街に広がる「住宅街型商店街」。そして三つ目は、東京浅草の仲見世商店街のような「観光地型商店街」です。この中で、再開発計画が進みやすいのは、やはり駅に直結し、かつ一定規模以上の「駅直結型」商店街であるという印象があります。実際、東武東上線の大山駅周辺や、せんべろの聖地として知られる京成立石駅周辺など、駅直結で大規模な商店街を持つ地域で再開発が活発に進められている例は枚挙にいとまがありません。武蔵小山もまた、この類型に当てはまる典型例と言えるでしょう。タワーマンションと共存しながら、いかにして商店街がその魅力を維持し、発展していくか、その未来に注目が集まります。

まとめ

武蔵小山は、近代的なタワーマンションの建設が進む一方で、「東洋一」と称された歴史ある商店街が脈々と息づく魅力的な街です。再開発によって進化を続けるその姿は、都市開発と地域文化の共存の可能性を示しています。単なるタワマン街ではない、武蔵小山の奥深い魅力は、これからも多くの人々を惹きつけることでしょう。

Source link: https://news.yahoo.co.jp/articles/7f1427ef149cbcec9e400083d33ef141671b4b29