女性初の第104代内閣総理大臣に指名された高市早苗首相(64)は、就任早々、マレーシア訪問中にトランプ大統領と電話会談し、日米同盟強化を外交・安全保障政策の最重要課題と位置づける姿勢を示しました。28日に予定されている日米首脳会談では、その指導力が問われることとなります。この新たな政権発足にあたり、高市首相がどのような内閣を築き、いかに難局に立ち向かおうとしているのか、その動向に注目が集まっています。
少数与党下での「決断と前進」内閣:高市首相の並々ならぬ覚悟
高市首相は、少数与党という「困難な船出」であると認識しつつも、「この内閣は決断と前進の内閣だ。国民とともにあらゆる政策を、1歩でも2歩でも前進させていく」と力強い発言でその覚悟を示しました。彼女の組閣は、総裁選で競い合った小泉進次郎氏(44)を防衛大臣、茂木敏充氏(70)を外務大臣、林芳正氏(64)を総務大臣に任命するなど、ライバルたちを主要閣僚や党役職に据え、まさに高市首相らしい重厚な布陣となっています。自民党関係者によると、高市首相の「働いて、働いて、働く」という言葉には、ご両親の介護や脳梗塞を患った夫・山本拓元衆議院議員(73)を支えてきた経験が重なり、党内ではその並々ならぬ決意と頼もしさが好意的に受け止められているといいます。
財務省を牽制する「妙手」:片山さつき財務大臣の起用
その閣僚人事の中でも、特に注目と評価を集めているのが、片山さつき氏(66)の財務大臣任命です。自民党関係者はこれを「最も妙手だった」と評しています。過去には消費税減税の公約が財務省によって見送られたり、「103万円の壁」撤廃がうやむやにされたりといった経緯があり、財務省の影響力は絶大です。しかし、片山氏の場合、その状況は大きく異なると見られています。
高市新内閣で財務大臣に就任した片山さつき氏。財務官僚出身の切れ者として注目が集まる
永田町関係者が語るように、片山氏は高校の模試で全国1位を常に獲得するほどの秀才で、東京大学から旧大蔵省(現財務省)へと進んだエリート中のエリートでした。女性初の主計官を務めた経歴からも、彼女の卓越した能力が伺えます。その経歴と実力から、「財務官僚を下に見ている」と評されるほどの強気な性格は、財務省にとって最も「来てほしくなかった」大臣であり、高市首相にとっては「やっかいな財務省を手なずける」のに最も適した人材とされています。片山氏自身も、10月22日の財務省初登庁では「大臣として戻ってこられて感無量だ」と述べ、高市首相の抜擢に意気込みを見せています。
政治評論家の有馬晴海氏もこの人事を高く評価しており、特にトランプ大統領との首脳会談における防衛費大幅増の議題に大きな意味を持つと指摘します。女性初の主計官として防衛予算を含む「おカネの流れ」を隅々まで把握している片山氏であれば、財務官僚の言いなりになることなく、自ら予算を差配し、政策実現へと導くことが可能だというのです。
全省庁の最上位とも称されるほどの権力を有する財務省に対し、片山さつき氏が大臣としてどのようにその手腕を発揮していくのか。高市首相が掲げる「決断と前進」の内閣において、彼女がその政策実現のための強力なエンジンとなれるか、今後の動きが注目されます。
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