高市首相の日米首脳会談、賛否両論と蓮舫氏の「ブーメラン」批判

10月28日、高市早苗首相とアメリカのドナルド・トランプ大統領による日米首脳会談が開催されました。首相就任後初となるこの“大仕事”は、各方面で評価が分かれ、特に高市首相の態度や、それに対する立憲民主党・蓮舫氏の批判が大きな波紋を呼んでいます。世界を舞台にした政治ドラマの一幕は、国内の政治家たちの言動にも光を当て、国民の間で活発な議論を巻き起こしました。

高市首相の初外交、トランプ氏との「期待と疑問」

今回の高市首相とトランプ大統領の会談では、まず前首相である石破茂氏との比較が注目されました。東京・元赤坂の迎賓館で高市首相と握手を交わし、記念撮影に応じたトランプ大統領の朗らかな笑顔がSNSで話題に。2025年2月にホワイトハウスで石破前首相と会談した際の固い表情とは対照的で、この“変化”に多くの関心が集まりました。トランプ大統領は、9月に石破前首相が辞任の意向を表明した際、「全く知らない」とそっけないコメントをしていたこともあり、その違いは際立っていました。

ネット上では「トランプの高市と石破に対する態度が違いすぎて草」「高市さんの力で色々変わって欲しいな」といった期待の声が寄せられました。国民民主党の玉木雄一郎代表は今回の会談を「グッドスタート」と評価し、立憲民主党の野田佳彦代表も「まずは成功裏に終わった」と述べるなど、新首相として良いスタートを切ったかのように見えます。しかし、一方で高市首相側の“態度”には懐疑的な意見も少なくありません。

会談後、高市首相はトランプ氏とともに大統領専用ヘリで横須賀基地に移動しました。米軍兵士の前で、トランプ氏から「親しい友人」と紹介されると、高市首相は拳を高く掲げ、ぴょんぴょんと飛び跳ねて大喜びする姿を見せました。この行動に対し、「はしゃぎすぎ」「見てて恥ずかしい」といった批判的な声が多数寄せられました。さらに、トランプ大統領の悲願とされているノーベル平和賞に彼を推薦する意向も伝えたと報じられており、これについても「媚び売りすぎ」「まんまといい気持ちにさせられて…世界に笑われるよ」といった辛辣なコメントが散見されます。

蓮舫氏の「残念」投稿、なぜ「ブーメラン」と批判されたのか

賛否が分かれる形となった高市首相の言動に対し、それを揶揄するコメントを発信したのが立憲民主党の蓮舫氏です。同氏は自身のX(旧ツイッター)にて、「肩に腕を回されなくても。笑顔を振り向かなくても。飛び跳ねなくても。腕を組まなくても。冷静な会談はできたのではないかな、と見えます。とても残念です」「『演出』ではなく『信頼』で成り立つ政治を求めていきたいと思っています」と投稿しました。高市首相の名前は記されていないものの、この投稿が今回の外交を指していることは明らかでした。

しかし、この蓮舫氏の投稿は、多くの国民から「ブーメラン」だと指摘され、物議を醸しました。2024年の都知事選挙に出馬した際、蓮舫氏は共産党の小池晃書記局長と濃密な「ハグ」を披露していました。また、都知事選では「Rマーク」を利用した選挙戦術が大きく取り沙汰され、支持者たちが「Rシール」を貼って回っていたことも報じられました。「蓮舫!蓮舫!」とリズミカルに唱える支持者の中央で、笑顔で選挙カーに乗っていた様子も広く知られており、これこそ蓮舫氏がいうところの「演出」ではないかという疑問の声が寄せられたのです。

都知事選での街頭演説で聴衆に語りかける立憲民主党の蓮舫氏。高市首相の外交を「演出」と批判したが、自身の選挙戦術にも同様の指摘があった。都知事選での街頭演説で聴衆に語りかける立憲民主党の蓮舫氏。高市首相の外交を「演出」と批判したが、自身の選挙戦術にも同様の指摘があった。

蓮舫氏の投稿に対して、X上では「これぞブーメラン職人」「過去の自分、棚上げしすぎてて笑う」「せめて自分の言動くらい振り返ってからコメントしようよ…」「負け惜しみムーブすぎて見てられん」といった手厳しい反応が多数見られました。所属党の代表である野田氏が「まずは成功」と評価した高市首相の外交について、蓮舫氏が「とても残念です」と斬り捨てたことは、国民の間に「ズレ」として認識されています。

今回の高市首相による日米首脳会談は、その内容だけでなく、両者の態度や、それに対する国内政治家、特に蓮舫氏の反応と、それに対する国民の視線が複雑に絡み合う結果となりました。政治家の言葉と行動、そして過去の言動との整合性が厳しく問われる現代において、国民が求める「信頼」と「演出」の間の線引きは、依然として曖昧なままです。

参考資料