カジノを含む統合型リゾート施設(IR)への日本参入を目指していた中国企業の日本法人元役員が多額の現金を無届けで国内に持ち込んだ疑いがある外為法違反事件に絡み、東京地検特捜部が自民党の秋元司衆院議員(48)=東京15区=を任意で事情聴取したことが18日、関係者への取材で分かった。特捜部は元政策秘書らの自宅も関係先として家宅捜索しており、IR担当の内閣府副大臣でもあった秋元氏に中国企業との関係などについて確認を求めたとみられる。
中国企業は深●(=土へんに川)に本社を置き、インターネット上でゲームやスポーツくじなどを提供する事業を展開。平成29年8月に那覇市で開いたシンポジウムで、IR進出を検討していることを表明した。関係者によると、秋元氏はこのシンポジウムに出席し、「日本におけるIR法の位置づけと今後の展望」と題した基調講演を行ったという。
30年1月には、北海道留寿都(るすつ)村でリゾートを展開する札幌市の観光会社が、この中国企業から投資を受けてのIR誘致を計画していることが明らかになった。特捜部は北海道庁にIRに関する資料提出を求めたほか、留寿都村幹部からも事情を聴くなどして捜査を進めている。
特捜部は今月7日、秋元氏の元政策秘書と元私設秘書の自宅を家宅捜索。秋元氏は9日、報道陣に対し「私自身が不正にかかわったことは一切ない」と説明。特捜部にも不正への関与を否定したとみられる。
秋元氏は28年の臨時国会で衆院内閣委員長としてIR推進法の成立に関わったほか、29年8月から30年10月まで内閣府副大臣を務め、IRを担当していた。