イーロン・マスクへのセレブたちの声:支持から批判、テスラ売却まで

過激な言動と革新的なビジネスで世界中の注目を集めるアメリカの実業家イーロン・マスク。彼の一挙手一投足は常にインターネットを賑わせ、多くのセレブたちもその言動に反応を示しています。中には彼を称賛する者もいれば、その過激な姿勢を厳しく批判する者も存在します。この記事では、イーロン・マスク氏について公に語った著名人たちの多様な意見を深掘りし、彼の世界的影響力とそれに対する社会の反応を考察します。テスラを手放したセレブから、逆に熱心な支持を表明する人々まで、その声を見ていきましょう。

「X (旧Twitter)」などを率いる実業家イーロン・マスク氏「X (旧Twitter)」などを率いる実業家イーロン・マスク氏

スティーブン・キング:政治的影響力への懸念

『キャリー』や『シャイニング』といった不朽の名作で知られるベストセラー作家スティーブン・キング氏は、イーロン・マスク氏に対して批判的な姿勢を一貫して見せています。2024年12月には、マスク氏とドナルド・トランプ米大統領の親密な関係に言及。共和党の一部から「南アフリカ出身のイーロン・マスクを次期下院議長に」という声が上がったことに対し、自身のThreadsで意見を表明しました。キング氏は、マスク氏が大統領になる資格がないこと(彼は選挙で選ばれておらず、南アフリカのプレトリア生まれであるため)を指摘しつつも、彼がアメリカの未来に甚大な影響を与えている人物であると強調しました。「イーロン・マスクを“次期大統領”と呼ぶことはできない。彼は選挙で選ばれていないし、プレトリア(南アフリカ)生まれだから、大統領になる資格もない。それでも、実際に国を動かしているのは彼だ。それは誰もがわかっていることだが、改めて言う価値があるだろう」と述べ、マスク氏の持つ計り知れない権力と社会への影響力について警鐘を鳴らしています。

ベストセラー作家スティーブン・キング氏、イーロン・マスク氏への批判的な姿勢を示すベストセラー作家スティーブン・キング氏、イーロン・マスク氏への批判的な姿勢を示す

ミスタービースト:イーロン・マスクへの尊敬とテスラ愛

一方、アメリカの人気YouTuberであるミスタービースト氏は、イーロン・マスク氏に対する深い尊敬の念を公言しています。2020年にX(旧Twitter)上でマスク氏への想いを綴り、「今、この本を読み終えようとしているところですが、あなたのことを心から尊敬していると知ってほしいです。あなたの仕事への姿勢や情熱を知るようになってから、これまで以上に世の中に良い影響を与えたいと思うようになりました。本当に尊敬しています」と投稿しました。ミスタービースト氏は、マスク氏の卓越した仕事への倫理観と情熱が、自身が社会にポジティブな影響を与えたいというモチベーションを高めたと語っています。また、彼はテスラの大ファンとしても有名で、2024年5月には自身の26歳の誕生日を記念し、抽選で26台のテスラを視聴者にプレゼントする大規模な企画を実施するなど、その熱烈な支持は行動にも表れています。

人気YouTuberミスタービースト氏、テスラを愛用しイーロン・マスク氏を尊敬人気YouTuberミスタービースト氏、テスラを愛用しイーロン・マスク氏を尊敬

ベット・ミドラー:テスラ売却と批判の表明

映画『ホーカス ポーカス』への出演や、長年のキャリアを持つ歌手として活躍するベット・ミドラー氏も、イーロン・マスク氏の言動に反応したセレブの一人です。彼女は2025年4月、自身のインスタグラムで長年愛用していたテスラを売却したことを報告し、その喜びを露わにしました。「なんて嬉しい日でしょう! ついに私のテスラを手放しました。もう人種差別や強欲、無知の象徴を運転する必要はありません。人生が突然、ずっと良くなった気分です!」と綴り、マスク氏の特定の言動や価値観が、自身の車を手放す決断につながったことを示唆しました。彼女はテスラを「人種差別や強欲、無知の象徴」と表現しており、その批判はマスク氏の事業活動だけでなく、彼自身の社会的・政治的発言に向けられたものと考えられます。ベット・ミドラー氏だけでなく、リベラル派として知られるカントリー歌手のレジェンド、シェリル・クロウ氏も同様に愛用していたテスラを手放したことを明かしており、マスク氏に対するセレブ界の意見の分断を浮き彫りにしています。

女優・歌手ベット・ミドラー氏、テスラの売却を報告しイーロン・マスク氏の言動を批判女優・歌手ベット・ミドラー氏、テスラの売却を報告しイーロン・マスク氏の言動を批判

結論

イーロン・マスク氏という世界的な実業家は、その革新性と同時に、過激な言動によって常に論争の的となってきました。彼に対するセレブたちの反応は、スティーブン・キング氏のような政治的影響力への懸念、ミスタービースト氏のような深い尊敬と事業への共感、そしてベット・ミドラー氏のように彼の価値観への強い反発と行動まで、非常に多岐にわたります。これらの異なる視点は、マスク氏が現代社会においていかに重要な、そして時に物議を醸す存在であるかを如実に示しています。彼の動向は今後も世界中の注目を集め、社会の多様な価値観を映し出す鏡となるでしょう。

参考文献

  • Harper’s BAZAAR JP