最近、SNSやメディアで「ダイエットに効く薬」として“マンジャロ“が紹介される機会が増えています。
しかし、この薬は2型糖尿病の治療薬。健康な人が“ダイエット目的”で使用することについて安全性は認められておらず、安易に使用することは非常に危険です。
今回は薬剤師の立場から、この問題の危険性とオンライン診療の実態について解説します。
【写真で見る】マンジャロとはどんな薬か
■何が危険なの? 使って大丈夫?
筆者はこれまでにもマンジャロに関する注意喚起の動画を複数公開しており、TikTok、Instagram、YouTubeでの総再生数は270万回を超えていますが、依然として「マンジャロって何が危険なの?」「使っても大丈夫?」という質問を多くいただきます。
以下に実際のコメントの一部をご紹介します。
・なにが危険なのか教えて欲しいです
・マンジャロ過剰摂取(中略)オンラインでいっぱい買いました! ってドヤ顔していた
・彼女がマンジャロ使ってる
・インフルエンサーがマンジャロ勧めてますね
なかには現役の看護師から「マンジャロってやっぱりダイエットにダメですかね?」などと相談を受けることもあり、医療従事者の間でも正しい認識が広まっていない現状があります。
実際に、オンライン診療で糖尿病薬をダイエット目的で処方している医師にも「糖尿病薬をダイエット目的で使用して、何がいけないのかわからない」と話す方がいました。
■マンジャロとはどんな薬か
マンジャロとは2型糖尿病にのみ効能・効果が認められた注射薬です。
製薬会社も公式に「マンジャロはあくまでも2型糖尿病のみ効能・効果を承認しているものであって、それ以外の目的で使用された場合の安全性と有効性について確認できていません」と発表しています。
つまりマンジャロは“やせ薬”ではなく、2型糖尿病の治療薬なのです。
では、なぜマンジャロがダイエット目的で使われているのでしょうか? その理由は、副作用として表れる「食欲減退」です。





