全国各地でツキノワグマによる被害が深刻化しており、2025年11月7日時点で死者数は過去最多年の2倍となる13人を記録しました。事態の深刻さを受け、各自治体はクマの駆除に乗り出していますが、「クマを殺すな」といった擁護派からの苦情電話が相次ぎ、業務に支障をきたすケースも少なくありません。特にクマの出没が頻繁な秋田県では、佐竹敬久前知事が長年にわたりクマ問題に対して積極的な発信を続けてきました。
佐竹前知事の毅然とした対応：業務妨害と住民の命
佐竹前知事は、2023年10月の記者会見で、クマ駆除に関する悪質な苦情電話について「すぐ切ります」「付き合っていると仕事ができない。業務妨害です」と発言しています。公務員が住民の命を守るために必死で仕事をしている中、そうした電話は時間の無駄であり、相手にしても理解が得られないと強調。公務員バッシングにつながるような電話は受ける必要がないという強い姿勢を示しました。
クマ問題に積極的な発信を行う佐竹前知事とツキノワグマ
「クマを家に送る」発言の真意：脅かされる住民の生活
2024年12月には、「殺さないで」という苦情が県庁などに寄せられた際、佐竹前知事が「お前のところに今（クマを）送るから住所を言え。そんなに（クマが）心配だったらお宅に送ります」と発言し、大きな反響を呼びました。この発言は、クマによって住民の生活様式が変化し、甚大な影響を受けている現状への危機感の表れです。農家は農作物を荒らされ、特に果物農家は保険に未加入の場合が多く、生活再建が困難になります。
また、朝晩の一人歩きが困難になるほか、学生の運動会、遠足、マラソン大会までもが中止される事態に。クマとの遭遇は命に関わり、住民は日常的に恐怖と隣り合わせで生活しています。佐竹前知事は、クマの擁護を訴える人々が、このようなクマによる被害の悲惨さを本当に理解していないことを指摘し、現実と理想のギャップを浮き彫りにしました。
まとめ
全国で増加するクマ被害は、単なる野生動物との共存問題に留まらず、地域住民の安全と生計を脅かす深刻な社会問題となっています。佐竹前知事の言葉は、現場で対応する行政と、被害の実態を知らない擁護派との間の大きな認識の隔たりを明確にし、住民の安全を最優先とする対策の重要性を強く訴えかけています。
