新潟市議ストーカー事件:被害女性の示談拒否と元議員の不可解な対応

全国的に、スキャンダルを起こしても独善的な言い分を貫き職務に居座る首長や議員が散見されます。かつて新潟県新潟市議会でも、ストーカー規制法違反容疑で逮捕されながら、罪を認め罰金を支払った後に「やっていない」と撤回し、任期満了まで議員を続投した元市議の事例がありました。この事件では、被害女性が起こした民事訴訟で、元市議が荒唐無稽な反論を繰り返すなど、不可解な対応が続き注目を集めています。

拒否された示談交渉:被害女性が語る不誠実な対応

2022年9月7日、元市議Xがストーカー規制法違反で新潟県警に逮捕された後、Xの妻は被害者であるA子さんに示談を申し入れました。Xの妻は、A子さんがアルバイトをしていたコンビニエンスストアの経営者でもあります。A子さんは提示された100万円、後に引き上げられた150万円の示談金をいずれも拒否しました。

A子さんは、示談に応じなかった理由として、二度の転居を余儀なくされ、その転居費用だけで100万円以上がかかっていたこと、そして何よりもX側からの誠意ある謝罪が欠如していたことを挙げています。Xの妻からは「ごめんなさい」という言葉はあったものの、どこか他人事のような態度だったといいます。さらに、Xの妻はA子さんを店に呼び出しながら約束をすっぽかし、代わりにA子さんが一日夜勤を強いられる事態も発生。自身を2年間ストーカーしてきた男が取締役に名を連ねる店での出来事であり、A子さんにとって大きな精神的負担となりました。

インタビューに応じるA子さんインタビューに応じるA子さん

辞職勧告後も続投:元市議Xの驚くべき主張と法廷での変節

一方で、別の被害者であるBさんとの示談は成立しました。これにより、XはBさんの自宅や職場に虚偽の怪文書を送付した容疑では起訴されず、A子さんの自宅周辺をうろついていた容疑についてのみ略式起訴されました。しかし、釈放されたXはメディアに対し、A子さんを仰天させるような主張を展開します。彼は罪を認め罰金を支払ったにもかかわらず、「本当は買い物をするためにA子さんの自宅近辺を通っていただけで、ストーカー行為などはしていない」「自分には心臓に持病があり、体調の悪化が心配だったため、勾留を早く終わらせるために罪を認めただけだ」と、警察での自供を撤回したのです。

同年12月5日、新潟市議会はXに対する辞職勧告決議案を採択しましたが、Xはこれを受け入れることなく、翌年5月の任期満了まで議員を継続しました。その後、Xは次の選挙には出馬せず、政界を引退しました。A子さんはこの対応に納得できず、Xがまだ在職中だった2023年1月31日に、約650万円の損害賠償を求める民事訴訟を提起しました。この法廷で、Xは全面的に争う姿勢を見せ、逮捕後の警察の事情聴取で「愛おしいと思うようになり、探偵を雇ってストーカー行為をするようになった」と供述していたにもかかわらず、法廷では「コンビニの従業員としての素行に問題がないか調査する必要があったから」と、主張を翻しました。

この事件は、公職にある者が自身の過ちを認めず、責任から逃れようとする姿勢、そして被害者が自らの正義のために戦い続ける困難な現実を浮き彫りにしています。公人の行動に対する社会の厳しい目は、今後も問われ続けるでしょう。

Source: https://news.yahoo.co.jp/articles/fd8002bb9448b12a70e594effeac2b1982a7e930