10月下旬の午後6時過ぎ、新宿・歌舞伎町に満面の笑みで現れたのは加藤勝信前財務大臣(69)である。サウナ好きと聞きつけた記者がダメ元で「整いながらインタビューさせてもらえませんか」と申し込んだら、ノリノリで応じてきたのだ。(前後編の前編)
【写真を見る】サウナあがりでも“ツンツン逆立つ”加藤勝信氏の「たわし頭」。ドライヤーで寝かせようと必死に格闘
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1年以上大好きなサウナに入れなかった
加藤氏は大蔵官僚を経て、2003年に初当選。第2次安倍内閣で一億総活躍相として初入閣し、その後厚労大臣や官房長官を歴任した。石破政権では財務大臣を務めた自民党のベテラン議員である。
先の総裁戦では小泉進次郎氏陣営の選対本部長に就任し、もし小泉氏が勝利していたら「幹事長有力」とも言われていた。結局、小泉氏は敗れて高市政権が誕生。財務相は片山さつき氏にバトンタッチした。
「今日は誘ってくれてありがとうございます。たまにはこういう楽しい企画もいいと思ってね。大臣を離れて時間に余裕もできたし。さあ参りましょう」(加藤氏、以下同)
今回利用したサウナは、都内で人気店として知られる「テルマー湯新宿店」。加藤氏は今年6月、同店をサウナ振興議員連盟の会合で訪れたことがあったが、食堂のみの利用でサウナには入らなかったという。理由はSPへの配慮だ。
「大臣になるとSPさんに四六時中警護してもらわないといけないでしょう。彼らは私にサウナに入るなとは決して言いません。ただ、迷惑をかけることはわかっていたから大臣を拝命するようになってから在任中行くのを我慢していました。今日は2年ぶりくらいだと思う」
いざ熱々のサウナ室へ
確かに警護対象者がサウナに入ると言い出したら、SPはどうするのだろう。
「試したことはないですが、きっと一緒に行動すると思いますよ。彼らはやめてくれとは滅多に言わないですから。ただ腰にぶら下げているものをどうするかは悩むでしょうね。下着と一緒にロッカーに入れるわけにもいかないし、マッパの状態でぶら下げるわけにもいかないでしょうし…」
そんな雑談を脱衣所で交わしつつ、いざサウナへ。サウナ歴50年のベテランサウナーはどのような整い方をするのかーー。
加藤氏は体を丁寧に洗ってから、サウナ内に入ると、3段ある座席の中段に腰掛けた。そして腕を組み、ちょうど室内に備えられたテレビで放送していた日本シリーズに見入った。
室内は96度の高温だ。2分もするとダラダラと汗が流れてくる。6分に1度の間隔でオートロウリュウ(サウナストーブで熱した石に自動で水をかけて蒸気を発生させる仕組み)が始まり、さらに温度が上昇するが、加藤氏は5分以上経過してもみじろぎ一つしなかった。






