【シンガポール=森浩】シンガポール政府は1月31日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、過去14日以内に中国本土に滞在した人の入国を原則として禁止すると発表した。2月1日夜から実施する。
中国本土からの入国を事実上、禁止する措置。感染の中心地である湖北省に限った渡航制限では不十分と判断した。
政府の発表によると、今回の措置では中国人向けの短期滞在ビザ発行を停止し、既に発給したものについても無効とする。空港での乗り継ぎも認めない。
シンガポール国民やシンガポールの長期滞在ビザを持つ外国人の中国からの入国は認めるが、入国後に14日間の自宅待機を求める。
シンガポールはすでに1月29日から、湖北省住民を対象に入国を禁止していた。
ウォン国家開発相は「分析によれば、数日のうちに湖北省以外の都市でウイルスの拡散が急増する可能性がある。今回の措置でリスクを軽減できる」と説明した。
シンガポールでは2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)の流行で33人が死亡した経緯がある。今回の新型肺炎の流行を受け、全世帯にマスクの配布を決めるなど、感染拡大の防止に取り組んでいる。