東京電力福島第1原発事故前、第1、第2原発でつくった電力を首都圏に送っていた福島県富岡町の新福島変電所が役割を転換し、再生可能エネルギー由来の電気を送る機能を新たに担って稼働を始めた。県は沿岸部復興の一環として再エネを原発に代わる新たな産業として位置付けており、再エネ産業振興の一助になると期待されている。
山中にある同変電所からは、約10キロ先の北東にある第1原発(大熊町、双葉町)まで鉄塔に支えられた高圧電線が続く。非常時は原発に電気を送る機能もあったが、震災時は鉄塔の倒壊などで第1原発への送電ができず、電源喪失を防げなかった。事故後は廃炉作業に必要な電気を原発に送る機能に特化していた。
1月から沿岸部にある6カ所の太陽光発電所などから同変電所を経由して、最大10万世帯分の電力を首都圏に送っている。