【米大統領選】ネバダ州で22日に民主党の党員集会 非白人の支持が焦点





 19日、米ラスベガスで開かれた大統領選の民主党候補者討論会に出席した(左から)ブルームバーグ前ニューヨーク市長、ウォーレン上院議員、サンダース上院議員、バイデン前副大統領、サウスベンドのブティジェッジ前市長、クロブシャー上院議員(ゲッティ=共同)

 【ラスベガス=黒瀬悦成】11月の米大統領選での民主党候補指名に向けた西部ネバダ州党員集会が22日に実施される。指名争い第2戦の東部ニューハンプシャー州予備選で1位となり、全国支持率でもトップを走るサンダース上院議員(78)が優位を確保できるかなど、選挙序盤の行方を決する重要な一戦として注目が高まっている。

 政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」がまとめたネバダ州での世論調査では、20日時点の平均支持率トップはサンダース氏の30%で、2位のバイデン前副大統領(77)=16%=に14ポイント差をつけた。

 複数の選挙専門家は、現時点ではサンダース氏に勝算があるとしつつ、同氏の急進左派的な公約が州内の民主党支持者から警戒されていると指摘する。

 ネバダ州で最も影響力が強い組織の一つとされ、最大都市ラスベガスなどのサービス業従事者が加盟する「料飲業者組合」(組合員数約6万人)は20日の集会で「どの候補も支持しない」と表明し、先頭走者のサンダース氏を拒絶する立場を打ち出した。同氏が唱える「国民皆保険の実現」が、組合が長年かけて雇用主から勝ち取った保険システムの撤廃につながると懸念を強めているためだ。

 こうした動きは他州の組合にも波及する可能性があり、サンダース氏には逆風となりかねない。

 バイデン氏は、同州で一時は32・5%の支持率を誇ったが、最近は同じ中道穏健派のブティジェッジ前インディアナ州サウスベンド市長(38)やクロブシャー上院議員(59)らに食われる形で支持率を減らしている。

 ネバダ大のロバート・ラング教授(公共政策)は「バイデン氏がネバダ州で2位に滑り込むことができれば、29日のサウスカロライナ州予備選以降の展望が開ける。返り咲きも可能だ」と指摘する。

 一方、中西部出身で支持層が白人に偏っているブティジェッジ氏とクロブシャー氏は、党員集会でヒスパニック(中南米系)と黒人にどれだけアピールできたかが今後、非白人の比率が高い南部や西部で勝ち抜けるかの指標となる。

 2016年の前回大統領選でのネバダ州民主党党員集会では、参加者の19%が中南米系、13%が黒人だった。同州での平均支持率は、ブティジェッジ氏14%、クロブシャー氏10%となっている。

 ネバダ州党員集会の注目度が初戦のアイオワ州党員集会や第2戦のニューハンプシャー州予備選にも増して高まってきたのを受け、15~19日に行われた党員集会の不在者投票には、16年の党員集会の総参加者約8万4700人に迫る、約7万7千人が参加した。



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