東京原油急落、18年2カ月ぶり安値 中東産先物に売り殺到





米カリフォルニア州ハンティントンビーチの原油採掘施設=20日(ゲッティ=共同)

 22日の東京商品取引所で、新型コロナウイルス感染拡大による需要急減への懸念から中東産原油先物に売り注文が殺到し、1キロリットル当たりの指標価格が急落した。21日の株価終値に相当する清算値と比べて一時、7720円安の1万5710円を付け、平成14年2月以来、約18年2カ月ぶりの安値となった。下落率は32・9%に達した。

 新型コロナの影響で世界経済が停滞し、原油需要が落ち込むとの見方から、欧米の原油市場で先物価格の急落が続いている。東京市場もこの流れを引き継ぎ、売り注文が殺到した。

 価格は、現在の取引の中心となる9月決算期限の中東産原油先物。清算値は22日、前日比7190円安の1万6240円で取引を終えた。1月に付けた4万円台から半値以下に落ち込んだことになる。

 21日までのニューヨーク原油先物相場は、最終取引日を迎えた5月渡しの価格は、前日のマイナス価格から47・64ドル高の1バレル=10・01ドルとプラスに回復して取引を終えた。一方、取引の中心である米国産標準油種(WTI)の6月渡しが前日比8・86ドル(43%)安の1バレル=11・57ドルに急落。供給過剰への懸念が引き続き強く売りが優勢となり、一時は6・50ドルまで下げた。

 楽天証券の窪田真之チーフ・ストラテジストは「解消のメドのない供給過剰が続くので、原油価格の低迷は長引きそうだ」と指摘。原油収入の減少を補うため、中東産油国による日本株などの株式売却が増える可能性があるとみている。



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