【新章 働き方改革】ITジャーナリストのポイント解説(2)「最初の一歩、モバイルデバイス選び」

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【新章 働き方改革】ITジャーナリストのポイント解説(2)「最初の一歩、モバイルデバイス選び」
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 テレワークの最初の一歩となるのが、パソコンやタブレットなど「モバイルデバイス」選びだ。身近なアイテムだが、近年は企業の選択に大きな傾向の変化が起きている。約10年前に米アップルの「iPad」が登場し、タブレットの手軽さや直感的な操作にビジネスでの活用にも期待が高まった。だが、近年は迅速なタイピングが可能なキーボードが付き、高機能でスリムなノートパソコンが主流になっている。テレワークを念頭にポイントを検証した。

ポイント1.利用場面を想定したディスプレー

 まず、ディスプレーのサイズが重要になる。仕事への利用を考えると円滑な起動など機能や性能が気になるところだが、長時間眺めるディスプレーは作業の快適さや効率を大きく左右する。

 ディスプレーの大きさは対角線の長さをインチ(2.54センチ)単位で表わし、ノートパソコンは12~15インチが一般的。7~10インチというタブレットに比べて大きく、少ないストレスで作業もしやすい。

 ただ、利用場面によって、使いやすいサイズは異なる。例えば、いままで出張や移動が多かった人には12~13インチがお勧め。荷物としてかさばらず、新幹線の狭いテーブルやホテルの小さな机でも使いやすいからだ。

 一方、いま急速に拡大しているテレワークなど自宅での利用が中心に考えると、14インチ以上の大きさを確保したい。テレワーカーがよく使用する表計算ソフト「Excel」の細かなセルの判別や、テレビ会議の共有資料の確認がしやすいためだ。

 例えば、大手不動産業の株式会社LIFULLでは、従業員が「最速で思考し、最速で行動し、最速で価値を届ける」という行動規範を実現するために、12~14インチの薄型・軽量ノートパソコン「ThinkPad A285」「ThinkPad X1 Carbon」を全社規模で導入。社内がフリーアドレスなので、持ち運びを重視したサイズを選んでいる。


ThinkPad X1 Carbon Gen8 (2020)
ThinkPad X1 Carbon Gen8 (2020)
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 一方、官公庁などがデスクトップパソコンの代わりに採用するケースでは、文字の見やすさを重視して15.6インチを選ぶことが多い。最新の15.6インチフルHD液晶を搭載しているdynabook C7では、旧モデルと比べると液晶画面の縁が狭くなっているので、本体サイズもコンパクトに収めている。


dynabook C7(15.6インチでも最新モデルは挟額縁で本体サイズはコンパクトになっている)
dynabook C7(15.6インチでも最新モデルは挟額縁で本体サイズはコンパクトになっている)
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 もちろん、ディスプレーは大きさのみならず、解像度や光沢(グレア)の有無によって大きく見やすさは変わってくる。テレワークには、高解像度のフルHD(1920×1080ピクセル)で、非光沢が作業の負担を軽減してくれるはずだ。

ポイント2.効率性のカギとなるCPUや記憶装置

 次に考えるのが、作業の効率性のカギとなる処理速度や記憶装置、バッテリー容量という性能になる。

 キーボードやマウスの操作に対する反応の速さを左右する処理速度は、パソコンの心臓部ともいえるCPU(中央演算処理装置)の性能に比例する。いずれも米半導体大手のインテル製とAMD製があるが、それぞれ性能によって複数の製品を提供。例えば、米インテル製の「Core(コア)」シリーズは、「i3」「i5」「i7」「i9」と種類があり、数字が大きくなるほど処理速度は速い。

 Excelや文書が中心の経理部門などの仕事ならi3でも構わないが、企業の広報部門で写真や動画の処理なども行うならばi5以上の性能が円滑な作業の目安とされる。

 データを保存する記憶装置には、SSD(シリコン媒体)とHDD(磁気媒体)がある。従来は大量のデータを記憶できるHDDが一般的だったが、最近は起動時間やデータの読み書きが速いSSDも同等の容量が確保でき主流に。効率的なテレワークを考えるならばSSDがお勧めだ。また、SSDよりも処理速度は遅いが、ハードディスクよりも速い「eMMC」という装置もある。主にクラウドサービスを利用するネットブックや低価格のタブレット端末などで利用されている。


SSDとHDDの比較
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 最後にバッテリー容量は、自宅で電源をつなぐのであれば気にする必要はないが、移動の多い人は標準バッテリー駆動時間で10時間以上は確保したい。テレワークでも、電源コードに煩わされたくない人はチェックしてほしい。

 ここまでモバイルデバイス選びのポイントを説明してきたが、いまの状況では迷う人もいると思われる。緊急時でテレワークが中心だが、事態の収束後は移動が増える可能性があるからディスプレーはどの大きさが最適かなど悩ましいところだ。

 ただ、働く環境づくりはアイデアが大切になる。例えば、通常は移動が多いが、自宅では大型のディスプレーを使いたい人の「裏技」が大型テレビの活用だ。最近の大型テレビの多くは「HDMI」というケーブルでパソコンと接続するとモニターとして利用できる。テレビ会議など用途によって使い分ければ、移動時と家庭での快適さを両立することができる。

 働き方が問われるこの機会に、ぜひ自由なアイデアを発揮し、自らの理想のオフィスを実現してほしい。次回はクラウドサービスを説明する。

ITジャーナリスト 田中亘(たなか・わたる)
 1961年、東京生まれ。パソコン販売、ソフト開発などを経て、1989年からITライターとして独立し、「できるWord」シリーズなど著書多数。

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