日産、最終赤字6712億円 生産能力2割減





オンラインで決算と中期計画について説明する日産自動車の内田誠社長兼CEO(中央)ら=28日午後 
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 日産自動車が28日発表した令和2年3月期連結決算は、固定資産の価値を引き下げる減損損失と構造改革費用を計6030億円計上し、最終損益が6712億円の赤字(前期は3191億円の黒字)に転落した。年間の赤字はリーマン・ショック後の平成21年3月期以来11年ぶり。日本や主力の米国市場で販売不振が続き、新型コロナウイルスの感染拡大も打撃となり巨額赤字に追い込まれた。

 売上高は前期比14・6%減の9兆8788億円、本業のもうけを示す営業損益は404億円の赤字(前期は3182億円の黒字)だった。令和3年3月期業績予想は新型コロナの影響が不透明として未定とした。

 同時に、新たな中期経営計画を発表し、6年3月期までに世界の生産能力を2割削減し年540万台体制にする。構造改革の一環で、インドネシア工場を閉鎖するほか、スペインのバルセロナ工場も閉鎖に向けて協議を進める。

 新型コロナ感染拡大前から世界で販売減少が続いて収益構造が急激に悪化しており、新中期計画では3年3月期の固定費を平成31年3月期に比べ3千億円削減する。令和2年3月期の世界販売台数は493万台。新型コロナの影響が直撃する3年3月期は一層の低下が必至で、韓国販売も撤退する。

 内田誠社長はインターネットを通じた決算記者会見で、「失敗を認め、正しい軌道に修正する。選択と集中を徹底し、構造改革を断行する」と強調した。



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