【ワシントン=塩原永久】11日のニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は急落して始まり、前日からの下げ幅は一時1000ドルを超え、節目の2万6000ドルを割り込んだ。新型コロナウイルス流行の悪影響が尾を引き、米国の景気低迷が長期化することへの警戒感から、売りが加速した。
ダウ平均は午前11時現在、前日比1062・77ドル安の2万5927・22ドルをつけた。ハイテク株主体のナスダック総合指数は175・47ポイント安の9844・88。
前日10日に米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が、雇用回復には長い期間を要するとの見方を示し、市場で米景気改善を期待する楽観的な見方が薄らいだ。
経済活動の再開で先行したテキサス州やフロリダ州などの南部を中心に、感染者が再び増加。感染拡大の「第2波」への懸念も広がり、投資家がリスク回避の姿勢を強めている。
銘柄別では、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなどの金融のほか、航空機大手ボーイングの下げが目立っている。一方、安全資産とされる金などが買われた。