「砂浜図書館」いかが? 海水浴場中止の茨城・大洗サンビーチが新企画





大洗観光協会のメンバーが集まり、現地を見ながら企画について話し合った=17日午後、大洗

 新型コロナウイルスの影響で今夏の開設中止が決まった茨城県大洗町の海水浴場「大洗サンビーチ」に同町の観光協会が、夏季限定でミニ図書館を開設しようと検討している。17日にはメンバーが現地の下見を行い、実施期間やコンセプトなどを話し合った。同協会の大里明会長(43)は「夏の大洗の新しい取り組みとして海の『表情』を見せられる企画にしたい」と意気込んでいる。(永井大輔)

 明治時代から続く海水浴場で、毎年約16万人が訪れる茨城県内最大の大洗サンビーチが中止となったのは今回が初めて。観光協会は今までにない取り組みとして、約100万円の予算を基に、海辺に小さな図書館を設置する企画「砂浜図書館」を打ち出した。

 ビーチにある津波避難施設(通称「ビーチセンター」)を貸し出しスペースとし、利用者は周辺の砂浜に設置されたパラソルやテントの下で、海の表情や音とともに読書を楽しむ-というもの。17日の会合では、7月23日~8月16日の期間、午後3時から日暮れにかけて開設することを暫定的に決めた。

 企画の背景には新型コロナの影響に加え、近年の海水浴場利用者の減少がある。県観光物産課によると、県内全体の海水浴場入込客数は平成25年(84万2790人)から減少傾向が続き、昨年は48万1087人にまで減った。

 観光協会では以前から、海水浴以外の海の楽しみ方を模索しており、今回の開設中止を機に「海水浴だけの大洗の海」というイメージの脱却を狙う。企画のリーダーを務める観光協会の大山壮郎さん(42)は「海水浴ができないというタイミングに合わせて大洗の海の別の魅力を打ち出したい」と力を込める。

 ただ、大洗町は海水浴場の開設中止に伴い、水難事故防止のために、ビーチ周辺の駐車場を封鎖することも検討している。全ての駐車場が封鎖された場合、砂浜図書館の開設は難しくなる。協会は今後も町と協議を進めながら「読む海」の展開を目指す。



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