「隠蔽だ」関電株主、金品問題で経営陣の責任追及 大阪市などの提案は否決





関西電力の株主総会で頭を下げる森本孝社長(中央)ら=25日(オンライン中継画面から)

 関西電力は25日、大阪市で定時株主総会を開いた。役員らによる金品受領問題の発覚後では初めての総会で、森本孝社長は「社会からの信頼を失墜させた。批判は真摯(しんし)に受け止める」と謝罪したが、出席した株主からは「都合の悪いことを隠蔽している」などと経営陣の責任を問う厳しい意見が相次いだ。

 関電側が提案した3議案はいずれも可決。社外取締役の権限を強化する指名委員会等設置会社への移行が決まった。前経団連会長の榊原定征氏の会長就任など、社外の8人を含む取締役候補者13人も全員が選任された。

 一方、脱原発や個別の役員報酬開示のルール化などを定款に盛り込むよう求めた株主提案の26議案は、いずれも反対多数で否決された。

 筆頭株主である大阪市の代理人を務めた河合弘之弁護士は「経営情報をすべて開示していれば金品問題のような事態は防げた」と指摘。その上で橋下徹元大阪市長の社外取締役就任を拒んだことを挙げ、「ユーザー目線の欠落、透明性の軽視だ」などと新旧経営陣を批判した。ほかの株主からも「信頼回復できなければ未来はない」など、経営陣を追及する意見が相次いだ。

 関電は個別の役員報酬開示で定款変更することに反対したが、毎年公表している「コーポレート・ガバナンス報告書」に同様の趣旨を明記するとした。また、八木誠前会長と岩根茂樹前社長が昨年度中に受け取った役員報酬額は約4400万円だったことを明らかにした。

 総会では、新型コロナウイルスの感染防止を理由に株主へ来場を控えるよう要請。席数も大幅に削減し、来場者は昨年の半数以下の328人で、所要時間も例年より短い3時間6分だった。



Source link