「キャリアセンター」。この言葉を聞いても大学生の保護者の世代はピンと来ないかもしれません。かつては就職部・就職課という名称だった機関を発展させ、低学年からのキャリア支援を強化したのが「キャリアセンター」になります。
「キャリアセンター」に変わったのは2000年代前半です。変わってから20年近くが経つわけですが、学生に提供するキャリア支援は充実してきています。一般的によく行われている取り組みは、個別相談、大学に集まる求人の紹介、職業適性診断、エントリーシート対策、面接対策、企業の人事担当者を招いた説明会などです。
1、2年次から仕事やキャリアをテーマとした講座を実施するケースも多く、熱心な大学では年間を通して時期に応じたイベントを頻繁に開催しています。
また、個別相談に関しては、専門の資格をもつキャリアアドバイザーや教員を配置する大学が増加しており、中には就職活動を経験したOB・OGが就活サポーターとしてキャリアセンターに常駐し、相談に応じている大学も多いようです。このように、多角的に学生の就職活動をサポートする体制は整ってきています。それでも、キャリアセンターを利用する学生は多くはありません。
6月に発表された内定率は「6割弱」というデータが出ていますが、昨年に比べると1割低い結果となっています。「これからどうするか」悩んでいる学生も多いと思いますが、一人で考えるより大学のキャリアセンターに頼るのも一つの方法です。
例えば、ある大学の就職キャリア支援センターは、大学4年生の秋以降、まだ内定の決まっていない学生を対象に「学内採用選考会」を実施していました。最近は、企業がターゲットを決めて採用する手法が多く広がっています。そのため、大学内で開催される選考会はオープンな選考会よりも少しだけ有利になります。
また、大学の卒業生とのつながりを強化する大学もあります。大学と大学が連携することで、セミナーの実施や面接トレーニングを行うなどの機会を提供しています。
このように大学側もさまざまな努力を行い、学生への支援を強化しています。身近なサービスである大学のキャリアセンターを利用してみるのも良いのではないでしょうか。(「内定塾」講師 齋藤弘透)
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