ソフトウエア開発会社「エルピクセル」(東京都千代田区)の口座から現金約29億円を着服したとして業務上横領容疑で元役員が逮捕された事件で、他にも約4億円を横領したとして、警視庁捜査2課は同容疑で東京都世田谷区深沢、同社元取締役、志村宏明被告(45)=同罪で起訴=を再逮捕した。
志村容疑者は同社の経理担当だった平成30~31年、約29億円を着服したとして今月逮捕。捜査2課によると、着服金の大部分はFX取引に使用したほか、一部は自宅のローン返済などに充てていたとみられる。
再逮捕容疑は29年4月~11月、百数十回にわたり現金自動預払機(ATM)で同社の口座から自身の口座に約4億1千万円を振り込み、横領したとしている。
捜査2課によると、ATMで一度の上限額の300万円の振り込みをしていたとみられ、「会社の資金運用のためにやった」と供述している。
エルピクセルは東大発のベンチャー企業で、人工知能(AI)を使った医療画像診断支援技術などを開発している。