国から一時金、申請ふるわず 被害把握や周知方法に課題

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 旧優生保護法(昭和23~平成8年)下で不妊手術を強制されたとして、東京都の男性(77)が国に3千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、東京地裁であった。伊藤正晴裁判長は男性への手術の違憲性を認定した一方、国への賠償請求権は消滅したと判断し、男性の請求を棄却した。旧法そのものの違憲性には言及しなかった。

 旧法下での不妊手術をめぐっては、各地で強制不妊手術に対する国家賠償訴訟が相次いだことなどを受け、国が被害者らに一時金320万円を支給することを柱とした救済法が昨年4月、議員立法で成立した。すでに支給も始まっているが、被害者の多くがいまだに申請できていないとみられる。

 厚生労働省によると、一時金の申請は今年5月末までに918人が済ませ、590人に支給が認められた。うち483人は手術記録などがなかったが、有識者でつくる「認定審査会」の判断で支給が決定した。

 ただ、不妊手術は全国の約2万5千人に施されたとされるが、申請者数は国が存命と推定する約1万2000人の7%程度。知的障害者の親らでつくる全国手をつなぐ育成会連合会(東京)の田中正博専務理事は「当事者が手術の意味を理解しておらず、事情を知る親も亡くなっている場合がある」と、申請ベースの手続きの難しさを指摘する。

 厚労省は被害者約3000人の個人名を確認しているが、プライバシー保護を理由に、被害者側が求める対象者への個別通知はしていない。申請は令和6年4月までで、手続き方法はインターネットに掲載しているが、高齢の被害者も少なくなく周知の方法が課題になっている。

 また、一連の訴訟で原告が請求する賠償額は1人1000万~3000万円台。交通事故で生殖機能を失った場合の賠償額は一般的に約1000万円とされており、いずれも一時金の額とは隔たりが大きい。救済法は旧優生保護法の違憲性も認めておらず、東京訴訟の原告男性は一時金を申請していない。

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