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「こんな時期に海外旅行に行って感染するなんて、自業自得」
「現地で療養費がかかって困るのも当然。リスクを負って海外に行っているんだから」
【写真を見る】「海外旅行で感染は自業自得?」コロナ禍に“母をたずねて” バカンス期のフランスに行ってみたら…「ヴェルサイユ宮殿でマスク着用は自分だけ?」
国内の感染者数が急増した8月上旬、ある記事に多くの辛辣なコメントが寄せられていた。
それは、“海外で新婚旅行をした夫婦が、現地出国前のPCR検査で陽性になってしまった”というもの。さらに記事には、“現地で療養が必要となり、追加の宿泊代や航空券など数十万円がかかった”ことが書かれていた。
記事やコメントを読んで、怖くなった。
というのも、私自身その時、フランスに到着したばかりだったからだ。
■コロナ禍にフランスへ渡った“62歳の母”をたずねて
この夏、テレビ局に勤務する「私」は、13日間の休みをまとめて取得し、フランスを訪れる計画を立てていた。
理由は、フランスに暮らす62歳の母に会うためだった。
母は2年程前からフランスで教師として働いていて、現地で1人暮らしをしている。赴任した当時から、世界はすでに‟コロナ禍”だったため、これまで会いに行くことは叶わなかった。
ただ、5月頃、国内、世界の感染者数が減少傾向になったことから「今年であれば行けるのでは…」との期待から航空券を予約していた。
■空港に到着も…コロナ関連の確認は「一切なし」
7月に入り国内の感染状況が悪化し、「本当に海外に行っていいのか?帰ってこれるのか?」と自問自答し、「もし行く前に少しでも体調が悪くなったらキャンセルしよう」と思いながらも、出発の日を迎えた。
利用したのは成田空港からの直行便。日本人と思わしき乗客は2割もいないようだった。本来は12時間程のフライトだが、現在はロシアを迂回するルートに変更されているため、14時間弱をかけて現地に到着した。
しかし…
入国審査は、ものの数秒で終了。会話もほぼなく、ワクチン接種の有無も問われなければ、陰性証明の提示なども全く求められなかった。
「え、これで終わりなの…」と拍子抜けした気持ちに。
実はフランスは、ちょうど8月1日から新型コロナに関わる入国規制が全て廃止され、入国時の接種証明や陰性証明などの提示の必要がなくなっていたのだ。
結果、飛行機の着陸から1時間もかからず荷物を受け取り、到着ロビーに出ることができた。