ロシアによる攻撃で使われたイラン製ドローンと見られる無人機の破片を見つめるキーウの住民=ウクライナで2022年10月17日、ロイター
ウクライナの首都キーウ(キエフ)のクリチコ市長は17日、キーウ中心部で自爆型ドローン(無人機)による攻撃があり、複数の爆発が起きたと明らかにした。ウクライナ大統領府幹部によると、少なくとも3人が死亡し、4人が負傷した。ロシア国防省は17日、精密誘導兵器でウクライナの軍事目標とエネルギー関連施設を攻撃したと発表した。キーウでは10日に露軍による大規模なミサイル攻撃があったばかり。
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クリチコ市長の通信アプリ「テレグラム」への投稿によると、爆発があったのは10日も標的となった市中心部。17日の攻撃では一部の建物で火災が発生したほか、近くの住居も被害を受けたという。市長はテレグラムに、ドローンの残骸だとする画像も投稿した。
ロイター通信によると、使用されたドローンの破片には「ベルゴロドのために」と書かれていたという。ベルゴロドはロシア南西部の地名で、ウクライナ軍による砲撃が発生したとされる。自爆ドローンを巡っては、ロシアがイランから購入しているとの報道があるが、イラン外務省報道官は17日の記者会見で「交戦中の国に武器は供与していない」と否定したという。
一方、ウクライナ東部ドニエプロペトロフスク州でも17日、ロシア軍によるミサイル攻撃があり、エネルギー関連のインフラ施設で大規模な火災が発生した。
10日の攻撃ではキーウなど多くの都市が標的となり、民間人など100人以上が死傷したほか、大規模な停電も発生した。ロシアはこの攻撃について、ウクライナ南部クリミア半島とロシアを結ぶ「クリミア大橋」の爆発に対する「報復」だと主張している。【金子淳】