秋の新米はさらに値段が上がる? 備蓄米放出の効果は「ほぼ影響なし」 背景に深刻な「肥料問題」が


【写真】韓国のスーパーで実際に売られている「コシヒカリ」。4キロで約2300円。「お持ち帰り」を呼びかける張り紙も

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 備蓄米が出れば価格が下がる――。こうぬか喜びした消費者は少なくなかったはずだ。ところが、その備蓄米が3月末から店頭に並び始めたというのに、コメの相場は一向に下がらない。

備蓄米が21万トン程度出回ったところで……

「備蓄米の報道を見た顧客から、『いつから価格が下がるのか』と聞かれた。それでも、4月からは10キロで500円以上は上げるつもり」

 ある米穀店主は3月初旬の時点でこう宣言していた。農水省が同月中旬から備蓄米21万トンを放出すると大々的に報じられていたが、コメの相場は上昇を続けた。年度初めの4月は価格改定に切りのいい時期でもある。備蓄米放出の報道の過熱による消費者の期待とは裏腹に、この米穀店主のように小売りは続々と値上げに踏み切っている。

 備蓄米の放出で価格が下がるというのは、政府の方便に過ぎない。量で圧倒的に多い通常の流通ルートをたどるコメは、値上げを続けている。今後も小売りの店頭価格は、備蓄米を例外として上がり続けるだろう。備蓄米が21万トン程度出回ったところで、価格の上昇を続けるメインストリームには影響しない。



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