石破茂首相の「しち面倒くさい日本語、習慣を日本政府の負担によってでも習得してもらい、適法な人に入ってもらう」という発言が、SNSを中心に大きな波紋を広げています。この発言は7月2日に日本記者クラブで行われた与野党8党首討論会でのもので、参議院選挙を目前に控える中、批判が相次ぎ、自民党への逆風となりつつあります。
石破首相の発言と波紋
自民党は今回の参院選公約で「違法外国人ゼロ」を掲げ、外国人による犯罪や違法行為への対策強化を打ち出す一方、労働力としての外国人受け入れの必要性にも言及しています。討論会で石破首相は「日本人は去年だけで89万人減っている。この労働力が減っているのは大変なこと」と述べ、労働力不足への危機感を示しました。
しかし、日本語や日本の文化を「面倒くさい」と表現した冒頭の発言に対し、SNS上では強い批判の声が上がっています。《首相が発する言葉として適当なのでしょうか?》《自国の言語を…終わってる。何人だよ》《難しいと言うなら百歩譲って理解出来る。でも、七面倒くさいはありえない》《耳を疑って3回ぐらい聞き直しましたが間違いなく言っていますね。ビビりました》《自国の言語と習慣を「七面倒くさい」と言う総理や大統領なんて見たことも聞いたこともありません》といった投稿が相次ぎました。
閣僚会議で発言する石破茂首相(外国人受け入れに関する発言が波紋を広げている)
ある政治部記者はこの発言について、「日本語や日本文化への敬意を欠いた表現として受け取られました。本来の意図と異なるのかもしれませんが、日本を代表する国の首相として問題があるように思えます。過去を見ても各国の代表が、自国の文化や言語そのものを“面倒くさい”といった表現を公的に明言した事例は、きわめて稀だと思います」と指摘しています。発言は、外国人受け入れの必要性を訴える文脈で行われたものの、その言葉選びが物議を醸し、選挙戦に影を落とす可能性が出ています。
「日本人ファースト」を掲げる参政党の躍進
こうした状況の中、「日本人ファースト」を掲げる参政党が参院選を前に注目を集め、躍進を見せています。党首討論会で参政党の神谷宗幣代表は「移民や外国人に頼らない国家運営を提言していきたい」と主張しました。
東京都議選では、参政党の候補者4人中3人が初当選を果たし、政党支持率も急伸。他の保守系政党が支持層の流出を警戒するほどの勢いとなっています。「日本人ファーストは外国人排除になるのでは?」という問いに対し、神谷代表は「インフラを外国資本に売ると国民の命に関わる。土地や水源を野放図に買わせてはいけない。国民の怒りを代弁している」と述べ、国民の生命や財産を守るための主張であると反論しました。石破首相の発言とは対照的なスタンスを明確にしています。
7月20日投票の参議院選挙では、248議席中改選の124議席と東京選挙区の欠員補充1議席を合わせた125議席が争われます。衆議院で少数与党となった自民党が参議院で過半数を維持できるかが最大の焦点です。石破首相の外国人に関する一連の発言が、国民の審判が下される参院選にどのような影響を与えるのか、今後の政治を左右する重要な局面となりそうです。
【出典】
https://news.yahoo.co.jp/articles/fcf5903d80b8bfc2f80cff00504cee8233650357