蓮舫氏、参院選比例代表で街頭演説 石破政権や自民「ばらまき」を批判

立憲民主党が夏の参議院選挙(7月20日投開票)の比例代表候補として擁立した蓮舫前参院議員は、3日に東京都豊島区のJR池袋駅前で街頭演説を行った。蓮舫氏は、「これからは東京に住む人だけではなく、日本に暮らす全ての人のために、蓮舫を使っていただきたい」と訴え、国政復帰への意欲を示した。蓮舫氏は平成16年の参院選東京選挙区で初当選し、4回の当選を重ねたが、昨年7月の東京都知事選に挑戦し、現職らに敗れていた。

立憲民主党の蓮舫氏が、参院選比例代表候補として池袋駅前での街頭演説を行う様子立憲民主党の蓮舫氏が、参院選比例代表候補として池袋駅前での街頭演説を行う様子

蓮舫氏の国政復帰と街頭演説の模様

この日の街頭演説には、約70~80人の通行人が足を止め、かつて民主党政権時代に予算の無駄を厳しく追及し「仕分けの女王」と呼ばれた蓮舫氏の、往年の集客力には陰りが見られた。しかし、集まった支持者からは「待っていたよ」「ずっと応援するよ」といった温かい声援が送られた。蓮舫氏はこれに応じ、「1年ぶりにマイクで話をさせていただき、温かいエールをいただけることがうれしい」と感謝を述べた。

石破政権への懸念表明

演説の中で、蓮舫氏は石破茂政権に対する不満を表明した。まず、鹿児島で発生した地震に触れ、「鹿児島の地震も心配。自然災害。いまの政権は大丈夫だろうか」と疑問を呈した。また、昨年12月に成立した令和6年度補正予算について、立憲民主党の要請によって能登半島地震の復興予算が拡充された経緯に言及し、「野党の提案を政府が飲んだことで復興支援が加速化された」と述べ、野党の貢献を強調した。

自民党の経済対策と「ばらまき」を批判

さらに、蓮舫氏は石破政権に対して重ねて疑問を投げかけた。「なかなか本気度が見えない。今の石破内閣、最初は期待したが、残念ながら皆さんの命を守る思いはあるのだろうか。苦しい生活に寄り添う気持ちはあるのだろうか」と述べ、政府の姿勢を批判した。自民党が公約として打ち出した国民1人当たり一律2万円の給付金についても言及。「たくさん税金を納めてもらったから、それを皆さんに還元する?だったら、還元する前に減税を行って、普段から皆さんの負担を減らすのが政治の役割だ」と指摘。選挙前に現金などを配布する「ばらまき」は「そろそろやめさせてもらいたい」と強く訴えた。

蓮舫氏を巡っては、昨年の都知事選敗北直後にSNS配信で「国政選挙は考えていない。戻ったら渡り鳥みたいだ」と語っていた経緯がある。参院選への出馬表明後、6月27日に都内で行った街頭演説では「渡り鳥になってもいい」と発言したが、この日の演説では自身の心境の変化について具体的に言及する場面はなかった。


参考資料