大ブレイク中のお笑いコンビ「エルフ」の荒川が初のフォトエッセイ『人間合格』を刊行。ポジティブすぎるマインドで「逆太宰治」とも称される彼女は、チケット即完売の出版記念イベントなど「アゲアゲ」な勢いを見せる。この記事では、トップギャル芸人・荒川が語る「ギャル論」と意外な真剣さに迫る。
ギャルへの道のり:試行錯誤の末に掴んだ「オンリーワン」
荒川の「ギャルマインド」は生まれたときから根付いていたというが、見た目や言動が現在の「ギャル芸人」として確立されるまでには試行錯誤があった。NSC卒業後、芸人として活動を始めた頃は、「面白い」と「カワイイ」の両立に悩み、ギャルっぽい言動を封印することもあったという。メイクをしないのは嫌だったが、女のコっぽくいることが笑いの勝負をしている他の芸人や観客に失礼ではないか、と考えていた時期もあった。
転機となったのは、芸歴3年目のあるライブだった。いつものようにギャルっぽい話し方をしてみたところ、少しだけ客席がウケたのだ。この経験から、メイクもノリも突き抜けて「ギャル」を表現することを決意。誰もやっていなかった「ギャル全開」のスタイルを追求した結果、現在のオンリーワンの立ち位置を確立できたと語る。
ライバルは全世界のギャル?独自の視点と「ギャル芸人」の定義
ギャル芸人として注目される存在として、お笑いコンビ「ぱーてぃーちゃん」の信子や金子きょんちぃの名も挙がるが、荒川は彼女たちを意識しつつも、それはネガティブなものではないと強調する。自身を「ギャルマニア」と称し、意識するのは芸人に限らず、モデルやインフルエンサー、さらには海外のギャルも含めた「全ギャル」だという。
彼女は自身の立ち位置を「芸人がギャルをやっているのではなく、ギャルが芸人をやっている」と定義。他のギャルたちを良きライバルと捉え、その中で自分が芸人としてできることは、何よりも「ネタを頑張る」ことだと語る。
エルフ荒川、初のフォトエッセイ『人間合格』を手に笑顔。アゲアゲな勢いを象徴する一枚。
芸人としての真剣さ:賞レースへの意識とストイックな一面
ギャルとしての華やかさやポジティブな言動の裏には、芸人としての高いプロ意識と真剣さがある。吉本興業の芸人は賞レースに対して非常にシビアであり、荒川自身も芸人を名乗るからには「ギャルだから面白いネタができない」とは決して言われたくない、という強い気持ちを持っている。
「ギャルだから」という言い訳をせず、ネタ作りに真剣に向き合う姿勢は、彼女の意外なほどマジメで体育会系な一面を垣間見せる。現在28歳で「アラサー」に差し掛かり、ギャル界では年上にあたる「お姉ギャル」の立ち位置になったことも、彼女の多角的な視点や落ち着きに影響を与えているのかもしれない。
ポジティブと真剣さの融合:『人間合格』に込められたメッセージ
常に「アゲアゲ」なポジティブさで周囲を明るく照らすエルフ荒川。その明るさの源泉は、自己を肯定し、自分らしさを貫く「ギャルマインド」にある。同時に、芸人として、表現者としての高みを目指す真剣さ、ストイックさも持ち合わせている。
初のフォトエッセイ『人間合格』は、そんな彼女の魅力が詰まった一冊であり、ありのままの自分を受け入れることの強さ、そして唯一無二の存在としてエンターテインメントの世界を突き進む覚悟を示すものと言えるだろう。ポジティブさと真剣さを兼ね備えた「お姉ギャル」の今後の活躍に、ますます期待が高まる。