橋下徹氏、伊東市長の学歴問題に持論 「除籍と卒業、そんなに違いあるか」と指摘

大阪府知事や大阪市長を務めた弁護士の橋下徹氏は13日、フジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」(日曜午前7時30分)に生出演し、学歴詐称疑惑に揺れる静岡県伊東市の田久保真紀市長の問題について見解を示した。

田久保市長は今月2日の会見で、市の広報誌などで「東洋大卒」と紹介していた自身の学歴が「除籍であることが判明した」と説明。これを受け、市議会では辞職勧告決議が可決された。田久保氏は7日の会見では、「卒業証書」などの書類を静岡地検に提出し、公選法違反に該当するかどうかの捜査に委ねると表明。その上で、近く市長を辞職し、出直し選への出馬意向を示している。

番組の終盤でこの問題に触れた橋下氏は、「除籍と卒業、そんなに違いありますかね」と疑問を呈した。自身の経験にも触れ、「ぼくとほぼ同じ年。ぼくが通っていたころの大学なんて、かなりいいかげんで、授業の出席なんてとっていなかったし、試験もリポートを写すとかで、どんどん卒業していっている。全部の大学ではなく、そういう大学もあった」と、当時の大学事情について私見を述べた。

橋下氏は、入学している事実を前提にすれば、「除籍と卒業で、そんなに市長の能力に影響するものではないと、ぼくは思っている」との見解を示した。今回の件は「『うその程度の話』であって、であれば、入学しているし、報道によれば卒業間際まで在籍していた在籍証明書もあると。分からないですが、学費が払えなかったからの除籍なのかどうなのか。そこは、市長が説明すればいい話だ」と述べ、田久保氏の説明不足を指摘した。

伊東市長の学歴問題について語る橋下徹氏伊東市長の学歴問題について語る橋下徹氏

さらに、橋下氏は田久保氏の対応について、「よくないのは(卒業証書などの)チラ見せとか、卒業証書は金庫に保管しているとか。いや、出して」と批判。「それだったら除籍と卒業は、ちょっとそんなに、あんまり程度は関係ないんじゃないですか。市長をどうしてもやりたいから、もう1回やらせてくださいと説明すればいい」と、率直な説明を促した。これに対し、番組進行役の梅津弥英子アナウンサーも「正々堂々と、なぜ言えないのかというところ」と同調した。

田久保氏が出馬を明言している出直し市長選に関しては、橋下氏は「刑事の処分を待ってからじゃないと、偽造とかがあれば市長選はおかしくなりますから」との考えを示し、選挙実施までには一定の時間が必要になるとの見方を示した。

今回の伊東市長の学歴問題を巡る橋下氏のコメントは、単なる学歴の真偽だけでなく、政治家としての説明責任や問題への向き合い方、さらには出直し選挙のあり方など、多角的な論点を含んでいる。特に「除籍と卒業の差」に対する彼の見解は、一般的な認識とは異なる視点を提供し、議論を呼ぶ可能性もある。田久保氏の今後の説明や、地検の捜査、そして出直し選の行方に注目が集まっている。