浜松ガールズバー殺人事件:店長と従業員が犠牲に、動機「小バカにされたから」か

静岡県浜松市の繁華街で衝撃的な事件が発生した。2024年7月6日未明、JR浜松駅からほど近いガールズバーで、従業員ら女性2人が客の男に刃物で刺されたのだ。救急車が駆けつけ、緊迫した声が飛び交った。「救急車もう1台来られますか、2人います」「心肺停止しているから早く!」この浜松ガールズバー殺人事件は、地元に大きな衝撃を与えている。

浜松市のガールズバー殺人事件現場となった店舗前と犠牲となった店長・竹内朋香さん浜松市のガールズバー殺人事件現場となった店舗前と犠牲となった店長・竹内朋香さん

事件の概要と容疑者

事件が起きたのは、浜松市中央区のガールズバーで、7月6日午前1時過ぎだった。スナックや居酒屋が立ち並ぶ繁華街に、多数のパトカーや救急車が集結し、物々しい雰囲気に包まれた。刺された二人の女性が搬送される様子は、ブルーシートによって外部から遮られたという。

現場の店前で、両手を血で真っ赤に染めて立ち尽くしていた男が、静岡県警浜松中央署に現行犯逮捕された。この男は、静岡県袋井市に住む無職、山下市郎容疑者(41)である。

凶器として使用されたのは、刃渡り約20センチのククリナイフが2本。このタイプのナイフは刃が湾曲しており、殺傷能力が高いとされる。山下容疑者は、このククリナイフを両手に構えて犯行に及んだとみられている。

犠牲となった二人の女性

搬送先の病院で死亡が確認されたのは、このガールズバーの店長を務めていた竹内朋香さん(27)と、従業員の伊藤凜さん(26)の二人の女性だった。

司法解剖の結果、二人の死因は失血死と判明した。いずれも背中を中心に10か所以上の刺し傷があったという。

店長の竹内さんは、まだ幼い子どもが二人いるワーキングママだった。近隣の飲食店の関係者によると、店のオーナーは竹内さんの夫であり、以前は同じ場所でダーツバーを経営していたという。業態をガールズバーに変更する際に、竹内店長が近隣店舗への挨拶回りをしていた様子が目撃されている。ある60代の男性店主は、竹内さんを「やせすぎではないかと心配になるくらい細い」「ふだんはTシャツにジーンズといったラフな服装」と表現している。食事中に若いスタッフに指示を出すなど、「若いのにしっかりしていた」印象を持ったという。

従業員の伊藤さんは、事件の約1年前からこのガールズバーで勤務していた。別の飲食店の男性店主は、伊藤さんが初めて店に来た日のことを覚えており、「これからお仕事ですか?」と尋ねると、「はい」と明るく答えたという。伊藤さんについても、「明るくて感じのいい子だった」と語られている。

犯行の経緯と衝撃的な動機

事件発生時の詳細な状況も明らかになってきている。山下容疑者は、脅して連れてきたとみられる伊藤さんと共に店内に侵入したとされる。まず店長の竹内さんの頭をビール瓶で殴りつけ、その後、背中などを複数回刺した。これに驚いて店の外へ逃げ出した伊藤さんを追いかけ、同様に刺したという。

犯行中、山下容疑者は他の従業員や客には一切目もくれなかったと報じられている。そして、「バカにしやがって」などと叫びながら凶行に及び、店の関係者に対しては、「小バカにされたからやっちゃった、ごめん」とつぶやいたという。

この衝撃的な供述から、「小バカにされた」という思い込みが犯行動機につながった可能性が指摘されている。繁華街で起きた白昼堂々(未明ではあるが、明るい時間帯のような激しさ)の凄惨な事件は、多くの人々に衝撃と不安を与えている。

浜松ガールズバー殺人事件の現場入り口に供えられた二本の缶ビール浜松ガールズバー殺人事件の現場入り口に供えられた二本の缶ビール

浜松市で起きたこのガールズバーでの悲劇は、二人の若い命を奪った。店長の竹内さんと従業員の伊藤さん。そして、「小バカにされた」という身勝手な動機で凶行に及んだ容疑者。繁華街の日常が一変したこの事件は、社会に深い問いを投げかけている。警察は事件の全容解明に向け、捜査を進めている。

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