千葉県松戸市にある英会話教室の経営者が、生徒である女子高生に長期間わいせつ行為を繰り返したとして逮捕されました。英会話教室経営者で講師の久末圭介容疑者(52)は、レッスン中の一対一の状況を利用した犯行が疑われています。
生徒へのわいせつ行為で逮捕された松戸の英会話教室経営者、久末圭介容疑者の送検時の写真
繰り返された犯行の詳細
松戸署によると、久末容疑者は2021年7月から2023年1月にかけて、当時10代だった女子高生の生徒Aさんに対し、数十回にわたりわいせつな行為をした疑いが持たれています。犯行は、教室でAさんと一対一の講義を行っている際に発生しました。Aさんが英語の音読などをしている最中、容疑者は背後からAさんの服の中に手を入れ、胸や下半身などを触ったとされています。さらに悪質なのは、その様子を自身の携帯電話で撮影していた疑いがある点です。
被害者のAさんは、2023年12月に千葉県警の「性犯罪110番」に通報し、長期間にわたる被害と撮影された事実を相談したことで、今回の事件が発覚しました。
容疑者の供述「性的欲求を満たしたかった」
米国留学経験を持ち、2000年代前半にこの英会話教室を開業したという久末容疑者。警察の調べに対し、容疑を認めており、犯行動機について衝撃的な供述をしています。「性的欲求を満たしたかった。妻以外の女性の体を触り高揚感や背徳感の高ぶりを覚えました」と供述したとのことです。また、「他の数人の生徒にも同様の行為をしていました」と話しており、余罪がある可能性も示唆されています。
専門家指摘:教育現場の性犯罪と厳罰化の必要性
このような教育現場での性犯罪について、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は厳しく指摘します。「『先生と教え子』という関係を利用した極めて悪質な犯行です。生徒の立場からすれば先生に言われたことには逆らえないという心理が働き、なかなか抵抗できないでしょう。生徒が反発しないため、容疑者はエスカレートし犯行を繰り返したのかもしれません」と述べ、教師や講師という立場が持つ権威が悪用される実態を強調しました。
小川氏はさらに、「学校や塾など教育現場で、盗撮やわいせつ行為などの性犯罪が続発しているのも事実です。多くのケースでは、今回の容疑者のように犯行を繰り返している」と現状を憂慮。「有利な地位を利用した教師や講師による生徒への犯行に対しては、執行猶予をつけずに即実刑にするなど厳罰化する必要があるかもしれません」と、法的な措置の強化を訴えています。
教育現場の性犯罪対策:日本版DBS
国は、こうした教育現場における性犯罪の多発を受け、対策を急いでいます。その一つとして、「日本版DBS(事業者が就職希望者や現職者の性犯罪歴を確認する制度)」の来年度中導入を目指すなど、子どもたちを守るための制度構築が進められています。今回の事件も、こうした制度導入の必要性を改めて浮き彫りにしています。
今回の英会話教室経営者による事件は、子どもたちが安全であるべき教育の場で発生した許しがたい犯行です。生徒と一対一という閉鎖的な状況が悪用された事例であり、類似の事案を防ぐための体制強化や、加害者に対する厳正な処罰が求められます。社会全体で子どもたちを性犯罪から守る意識を高めることが重要です。
[参考]
FRIDAYデジタル (Yahoo!ニュース配信)
https://news.yahoo.co.jp/articles/11d8291e217f42f2764a75617609f5c0b6fcfb34