トランプ氏「ゴールドカード」発表:7億円超の永住権に希望者殺到、浮上する懸念とは

トランプ前大統領が、アメリカでの永住権取得を可能にする「トランプ・ゴールドカード」を発表し、その高額な価格にもかかわらず希望者が殺到しています。さらに「トランプ・モバイル」といった新たな動きも見られる一方で、様々な疑惑や懸念も浮上しています。一体何が起きているのでしょうか?

7億円超のトランプ・ゴールドカードのグラフィックと説明文7億円超のトランプ・ゴールドカードのグラフィックと説明文

7億円超「トランプ・ゴールドカード」:永住権獲得に殺到

トランプ前大統領は2025年4月、アメリカでの永住権や関連権利を取得できる「トランプ・ゴールドカード」を発表しました。その価格はなんと500万ドル、日本円にして約7億3000万円に上ります。2025年4月の発表時点では1000人以上が応募していましたが、発表から2ヶ月後の6月には、申請希望者が7万人近くにまで急増したと報じられています。

トランプ・ゴールドカードの申請希望者が7万人近くに達したことを示す図トランプ・ゴールドカードの申請希望者が7万人近くに達したことを示す図

発行目的とリスク:歳入増か悪用温床か

この「ゴールドカード」発行の理由について、ウィルバー・ロス元商務長官(記事ではラトニック商務長官)は、「アメリカの歳入を増やし、36兆ドルの債務負担を軽減する方法」だと説明しています。試算では、20万枚発行すれば1兆ドルの利益が見込まれるとのことです。しかし、アメリカは現在、イランやアフガニスタンなど12か国からの入国を原則禁止しており、これらの制限対象国国民からの申請を除外するかどうかは明らかにされていません。

トランプ・ゴールドカード発行の狙いを説明するイラストと見出しトランプ・ゴールドカード発行の狙いを説明するイラストと見出し

デーブ・スペクター氏はこれについて、カードのデザインはマイナーチェンジされる可能性があるとしつつも、過去に同様の「ゴールデンビザ」制度を導入した多くの国が、マネーロンダリングやオリガルヒ(新興財閥)の流入といったマイナス面から制度を廃止・変更している現状を指摘します。高額化するほど審査が甘くなる傾向があり、一見魅力的ながらも、こうした制度はどの国でも賛否両論を巻き起こすと解説しています。

テレビ番組でコメントするデーブ・スペクター氏テレビ番組でコメントするデーブ・スペクター氏

ハイテク業界の関心と専門家の見方

世界的なテクノロジー企業のCEOが優秀な人材誘致のため「トランプカードを100枚以上購入目指す」と表明する一方、2025年6月18日付ロイター通信はアップル社による大量購入観測報道を報じました。

アップル社がトランプ・ゴールドカードを大量購入する可能性を示す図アップル社がトランプ・ゴールドカードを大量購入する可能性を示す図

これに対しデーブ氏は、企業による大量購入自体は良いとしながらも、カードを第三者に譲渡可能かは不明瞭と指摘。同時に、米国からの人材流出を食い止めるアイデアとしては有効な側面もあるとの見方を示しています。

高額な「トランプ・ゴールドカード」は、永住権を求める層からの強い需要を集めていますが、その経済効果への期待の裏側で、制度の公平性や悪用リスクといった懸念も指摘されています。新たな「トランプ・モバイル」の動向と合わせ、今後の展開が注目されます。

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