今、日本の政界とメディア関係者の間で、一人の中学生記者が大きな注目を集めています。その名は川中だいじ氏。彼は大人顔負けの「記者魂」を発揮し、政治家の本質に切り込む質問を投げかけ、多くの政治記者が舌を巻くほどの活躍を見せています。特に、7月3日に公示された第27回参議院議員選挙において、国民民主党から出馬した多田ひとみ候補や同党の玉木雄一郎代表への政治取材は、その類稀なスキルを鮮明に示しました。
多田ひとみ候補を追い詰めた鋭い質問:兵庫県知事選ボランティアの真実
参議院選挙公示の翌日、兵庫県姫路駅前で街頭演説を行った多田ひとみ候補(国民民主党)が囲み会見に応じた際、川中だいじ記者の質問が会場に緊張をもたらしました。彼は多田候補に対し、「去年の兵庫県知事選挙、西宮ガーデンのところで、斎藤さんのボランティアをされていますか?」と直球で尋ねました。“斎藤さん”とは、現兵庫県知事である斎藤元彦氏のことです。
多田候補は当初、質問の意図を測るかのように回答を避けようとしましたが、川中記者が「イエスかノーかで」と畳みかけると、斎藤知事のボランティア経験を明確に認めました。この事実に、現場のメディア関係者からは、「斎藤知事を支持していたからこそ、批判を控えているのではないか」との疑問が噴出しました。
多田候補はこれに対し、「支持をしていたから別に控えているわけではなく、正直なところ何が正しいか分からない。メディアも“オールドメディア”と言われ、ちゃんとした報道をしていないという国民の意見もある。インターネットも様々な情報があるため、何が正しいのか判断できない」と述べ、自身の判断力の限界を訴え、“斎藤応援団”やNHK党の立花孝志党首と同様に“オールドメディア”批判を展開しました。当時のボランティア活動については、「そのときは、斎藤さんが井戸(敏三・前兵庫県知事)県政を正す改革のヒーローだと思って応援していた」と認めましたが、現在の立場を明言することはありませんでした。
しかし、「湾曲」という表現は「歪曲」の誤用と見られますが、斎藤知事に関しては、第三者委員会が公益通報者保護法違反を認定し、消費者庁も指摘している事実があります。それでもなお「何が正しいのか分からない」という多田候補の言葉は、その場にいた記者たちからのさらなる追及を招きました。
国民民主党の多田ひとみ候補と玉木雄一郎代表が街頭演説を行う様子
「日本中学生新聞」創設者、川中だいじ記者の「記者魂」
記者たちの質問攻めに耐えきれなくなり、その場を離れていった多田候補から重要な証言を引き出した川中だいじ記者は、『日本中学生新聞』の創設者であり、現役記者です。小学校低学年の頃から政治や選挙に強い関心を持ち、2023年には『日本中学生新聞』を創刊。noteやX(旧Twitter)を通じて情報発信を始めました。同年春の第20回統一地方選挙では、大阪市議会選挙や吹田市長選挙の現場を取材するなど、その行動力は高く評価されています。
彼の大人顔負けの「記者魂」は、岸田文雄前首相や石破茂首相をも直撃するほどのもの。その活躍は新聞、週刊誌、経済誌など多岐にわたるメディアで報じられ、また自身も記事を執筆するなど、マスコミ関係者の間ではすでに知られた存在です。今回の多田候補への質問で、彼の評価はさらに高まりました。
今年4月からは、テレビ大阪公式YouTubeチャンネルで冠番組『中学生記者・だいじの対談クラブ』を持ち、政治家との対談も行っています。
玉木雄一郎代表への「サイン作戦」と核心を突く質問
川中記者の政治取材は、国民民主党の玉木雄一郎代表にも及びました。その詳細は、川中記者自身が『日刊ゲンダイ』に寄稿した記事で報じられています。彼は玉木代表の著書にサインをもらうふりをして接近するという、「突撃著書サイン時間稼ぎ作戦」を発案。玉木代表が快くサインを書き始めたその隙に、「多田ひとみ候補が兵庫県知事選挙で、斎藤候補のボランティアをしていたのを知っていて、公認されたんですか?」と核心に迫る質問を浴びせました。
この巧妙な作戦は成功しましたが、玉木代表は「はい、ちょっと待ってよ」「はい」「はい」「ありがとうございます」などと相槌を打ちながら、聞こえていないかのように足早にその場を立ち去ったと伝えられています。
若き「記者魂」が問いかける政治の透明性
国会議員を目指す者が、公益通報者保護法違反と認定された事実に対し「何が正しいかわからない」「ちゃんとした報道を」と責任を回避するかのような発言をし、また国政政党の代表が、都合の悪い質問を巧みにスルーする姿は、政治への信頼に疑問を投げかけるものです。
しかし、彼らの本質を鋭くあぶり出した川中だいじ記者の卓越した「取材スキル」には、まさに脱帽するしかありません。彼の行動は、経験豊富な政治記者でさえ見習うべき点が多く、我々もその姿勢から多くのことを学ぶことができます。若者の純粋で鋭い視点が、複雑な政治の闇に光を当て、真の透明性を求める声となって響いています。今後の彼の更なる活躍に期待が高まります。
参考文献:
- 『日本中学生新聞』
- 『日刊ゲンダイ』
- テレビ大阪公式YouTubeチャンネル『中学生記者・だいじの対談クラブ』