2024年7月20日に投開票が行われた参議院選挙において、政治団体・NHK党(旧NHKから国民を守る党)は、選挙区および比例代表のいずれにおいても、国政政党の要件となる得票率2%以上を達成できず、国政政党への返り咲きは叶いませんでした。党首である立花孝志氏の参院兵庫選挙区での挑戦も実らず、比例代表で改選を迎えた浜田聡氏も落選が確定しました。
NHK党の参院選、目標届かず
今回の参議院選挙で、NHK党は党首の立花孝志氏(57歳、元職)を参院兵庫選挙区に擁立したほか、全国45の選挙区に候補者を立てました。比例代表では、現職の浜田聡氏(48歳)と新人の福永活也氏(44歳)、川崎貴浩氏(33歳)を擁立し、政党要件再取得を目指しましたが、いずれも目標に届きませんでした。
立花孝志氏は、選挙戦において兵庫県の斎藤元彦知事(47歳)の支持を明確にアピールする戦略を取りました。斎藤知事の告発文書問題に端を発した兵庫県政の課題を前面に押し出し、前回の兵庫県知事選で斎藤氏に投票した層からの支持獲得を図りましたが、結果として当選には及びませんでした。
比例代表候補の浜田聡氏は、個人別得票で33万票以上を集める健闘を見せたものの、議席獲得には至らず落選が確定しました。この結果は、政党としての広範な支持拡大が課題であることを浮き彫りにしました。
NHK党代表の立花孝志氏(右)が神戸市内の開票センターで参院選の結果を見守る様子。左は斉藤健一郎参院議員。
立花代表、政治活動継続と兵庫県での展開を示唆
21日朝、神戸市内に設けられたNHK党の開票センターで、立花孝志代表は今回の結果について「私の不徳というか、力及ばず」と語る一方で、「せっかく伸びてきているので、そんなに慌てなくてもいいかなという気はしている。認められていないとは思っていない。上がってきている感がすごい」と、今後の党勢拡大に前向きな姿勢を見せました。
また、立花氏は「6年前も3年前も、確かに2%超えて当選はしたが、その時よりも強くなっている」と分析し、今後も「悪いヤツらを許さない」という精神と、「弱者を救済していく」という理念を堅持していくことで、評価される日が来るとの信念を表明しました。
兵庫選挙区での落選が確実になった後も、立花氏は政治家としての活動を継続する意向を明確に示しました。「引退はせず、政治家はこのまま継続する。特に兵庫県を中心にやっていく」と述べ、次期兵庫県議会議員選挙への出馬も示唆しました。選挙戦最終日に明石駅前に集まった支持者からのエネルギーが、「政治家をやめない」という自身の信念を形成したと語り、「必ず、我々の言うことが評価される時が来る。それまで焦らず行きましょう」と支持者に呼びかけました。
浜田聡氏も再起へ決意表明
落選した浜田聡氏も21日、自身のX(旧ツイッター)を更新し、「約30万票もいただいたことに大きな勇気をもらいました」と支持への感謝を述べました。そして、「オールドメディアとの対峙等、今後も他の政治家が避ける重要な課題に挑戦します。これまでよりも組織力強化を意識して再起を目指します」と、今後の政治活動への強い意欲と組織基盤強化への決意を表明しました。
まとめと今後の展望
今回の参議院選挙でNHK党は国政政党としての復帰を果たすことができませんでしたが、党首の立花孝志氏と比例代表候補の浜田聡氏はいずれも政治活動の継続を宣言しており、今後の動向が注目されます。特に立花氏が兵庫県を中心に活動を強化し、地方議会選挙への出馬を示唆していることから、地域に根ざした活動を通じて支持基盤を再構築する可能性も考えられます。NHK党が掲げる独自の政治理念と、既存政治への挑戦が、今後どのように展開していくのか、引き続き注視が必要です。
参考文献
- よろず〜ニュース(杉田 康人 氏)