春ねむり、参政党さや氏批判曲「IGMF」をリリース – 一時削除と社会的反響の全貌

シンガー・ソングライターの春ねむり氏(30)が、参議院選挙東京選挙区で初当選した参政党のさや氏(43=本名塩入清香)に対する「怒り」を込めた楽曲「IGMF」を公開し、大きな注目を集めています。公開された配信サービスで一時的に削除される事態が発生したものの、その後無事に再開。この一連の動きは、政治と表現の自由、そしてソーシャルメディアにおける言論のあり方について、多方面で議論を巻き起こしています。

楽曲「IGMF」制作の背景と歌詞の意図

春ねむり氏は7月22日、自身のX(旧ツイッター)に「参院選期間、あまりにもヘイトスピーチを聞きすぎて怒りがすごかったので爆速書きしました」と投稿し、新曲「IGMF」を突如公開しました。この楽曲は、参議院選挙期間中に見られた特定の政治的発言や姿勢に対する深い憤りから、わずか1日で歌詞とトラックが制作されたと説明されています。

歌詞には「ホラー映画より怖いさや」と実名が含まれ、さや氏の選挙期間中の主張が痛烈に批判されています。また、街頭演説を直接聞いた経験も歌詞に盛り込まれており、ジャズシンガーでもあるさや氏に対し、「歌で動かせなかった?人の心」と皮肉を込めた問いかけもなされています。春ねむり氏は、この曲を「あなたが正当な怒りを封殺されそうなときにお守りになれば幸いです」と表現し、自身の怒りがリスナーにとっての「お守り」となることを願うメッセージを伝えました。

SoundCloudでの一時削除と抗議、そして再公開

「IGMF」公開後、楽曲が配信プラットフォーム「SoundCloud」で一時的に削除されるという事態が発生しました。これに対し、春ねむり氏は自身のXで「IGMF削除されてて笑う(たぶん通報されたんだろうな)」と述べ、SoundCloudに抗議メールを送ったことを報告。「おれは特定個人のアイデンティティについて歌っていません 政策と発言・政治的態度について怒りを表している」と、自身の表現の真意を明確に説明しました。

春ねむり、参政党さや氏批判曲「IGMF」をリリース – 一時削除と社会的反響の全貌

春ねむり氏が自身のX(旧ツイッター)で新曲「IGMF」について説明する投稿のスクリーンショット画像

その後の報告では、SoundCloudから英文の文書が公開され、「精査した結果ポリシー違反してないとして元に戻してくれた!サンクラありがとう!」と、楽曲の公開が再開されたことが明かされました。この一連の経緯は、表現の自由とプラットフォームの規約遵守のバランスについて、改めて考えるきっかけを与えました。

楽曲への広がる反響:政治家からの共感の声

この楽曲「IGMF」は、参政党が参議院選挙で躍進したことも相まって、SNSを中心に大きな話題を呼びました。歌詞の中で、東京選挙区で当選した共産党候補の吉良佳子氏の当選が「救い」と綴られていたこともあり、吉良氏本人も自身のXで「春ねむりさんの歌詞に私の名前が…!ありがとうございます」と感謝の意を表明。「『うちらは殺されるためでも殺すためでもなく生まれてきたんだ』『仮面を外して働けるようにすんのが政治家の仕事だ』などの歌詞に共感」と述べ、差別を煽る政治に立ち向かう姿勢を改めて示しました。さらに日本共産党の公式Xでも「ありがとうございます。パワーをいただきました。へこたれている訳にはいきません。ここからです」と記すなど、政治家や政党からの反響も相次ぎ、楽曲が持つ社会的影響力の大きさを浮き彫りにしました。

「IGMF」は単なる音楽作品に留まらず、現代社会における政治的言論、表現の自由、そしてアーティストの社会参加のあり方を問う重要な事例となっています。春ねむり氏の「正当な怒り」が、多くの人々の共感を呼び、さらなる議論を促す力を持っていると言えるでしょう。


参考文献: