人気ロックバンドX JAPANのリーダー、YOSHIKIが、現在放送中のTVアニメ『ダンダダン』の劇中歌を巡る騒動で世間を騒がせています。自身の代表曲「紅」に酷似しているとSNSで指摘し、一時は「弁護士」に言及するまでに発展したこの問題は、最終的にYOSHIKIの謝罪によって収束に向かいました。本記事では、一連の騒動の経緯と、YOSHIKIの発言が世間に与えた波紋、そして今後のエンターテインメント業界における「パクリ」と「オマージュ」の線引きについて考察します。
アニメ『ダンダダン』劇中歌が「紅」に酷似と指摘
事の発端は、TBS系で放送中のアニメ『ダンダダン』第18話に登場した楽曲にありました。MBSアニメの公式YouTubeチャンネルでこの楽曲の「リリックビデオ」が公開されると、X JAPANのファンや音楽愛好家たちの間で、「X JAPANの代表曲『紅』にそっくりだ」という声が上がり始めました。
特に議論の的となったのは、ギターのイントロ後、ボーカルの「おはらいだぁ!」というシャウトとともに激しいギターとドラムで始まるこの曲の構成です。多くのリスナーが、その楽曲の雰囲気や展開から「いかにもX JAPANの楽曲を彷彿とさせる」と感じ、YOSHIKI自身もこの状況に反応を示しました。
YOSHIKI、SNSで不満表明と「弁護士」発言の波紋
YOSHIKIはこの劇中歌について、自身のX(旧Twitter)で直接言及。「何これ、X JAPANに聞こえない?」と疑問を投げかけ、さらに「この制作チーム、事前に一言ぐらい言ってくれれば良いのに..」と、無許可での類似性に対する不満を次々と吐露しました。
一連の投稿の中で、特に大きな波紋を呼んだのが、「弁護士達からも連絡がきた」という一文でした。これは、法的措置を検討する可能性を匂わせるものであり、一部のファンからは失望の声が上がりました。X上では、「弁護士の存在ちらつかせるYOSHIKIのムーブめちゃくちゃダサいな」「依頼無しで弁護士が勝手に仕事見つけてきて相談とかそんな事あるか?」といった批判的な意見が多数投稿され、YOSHIKIの行動に対し疑問を呈する動きが強まりました。
YOSHIKIがアニメ『ダンダダン』の楽曲騒動についてX(旧Twitter)でコメントしている様子
一転して謝罪へ、トラブル収束の背景
しかし、事態は急転します。YOSHIKIは8月9日、Xで「今回の件、急に連絡が来て驚いて、つい呟いちゃいました。お騒がせしてすみません。ごめんなさい。」と投稿し、一連の発言について謝罪しました。これにより、一時は法廷闘争に発展する可能性も指摘された騒動は、収束へと向かうことになります。
今回のケースに限らず、「パクリ」か「オマージュ」かという論争は、音楽やアートの世界でかねてから頻繁に取り沙汰されてきました。『ダンダダン』の劇中歌も、確かに「紅」によく似ていたものの、「オマージュの範疇だ」とする肯定的な見方も多く存在しました。YOSHIKIと制作サイドの間で最終的に和解に至ったと見られますが、このようなトラブルは、もし制作側から事前に一言連絡があれば、完全に回避できた可能性が高いと言えるでしょう。
まとめ
YOSHIKIがアニメ『ダンダダン』の劇中歌を巡って表明した不満と、その後の「弁護士」発言、そして一転しての謝罪は、SNS時代の情報拡散と世論形成の速さを示す出来事でした。今回の騒動は一旦の解決を見せましたが、クリエイティブな作品における「影響」と「盗用」の線引きは常にデリケートな問題であり、今後も類似の議論が続くことが予想されます。作品への敬意と、事前のコミュニケーションの重要性が改めて浮き彫になった事例と言えるでしょう。