記録的な猛暑が日本列島を覆った今年の7月。気象庁の発表によると、日本の月平均気温は、統計開始以来125年間で最も高い値を記録しました。このような「災害級の暑さ」が続く中、多くの人々が涼しさを求めています。果たして、関東地方において、真に涼しく過ごせる場所はどこなのでしょうか。本稿では、気象庁の公開データに基づき、7月の平均日最高気温が低かった関東の地点をランキング形式でご紹介します。
日本の猛暑を避ける関東の涼しい避暑地、奥日光の湖と山々
記録的猛暑の7月と調査概要
2023年7月は、全国的に記録的な高温となり、特に都市部では連日の猛暑日を観測しました。このような状況下で、人々が快適に過ごせる場所を特定するため、本調査では気象庁が定義する関東地方(東京都、栃木県、群馬県、埼玉県、茨城県、千葉県、神奈川県、長野県、山梨県)の観測地点を対象としました。分析には、7月の毎日の最高気温(日最高気温)の平均値を使用し、これに基づいて各地点の涼しさを評価しています。また、参考情報として、7月にその地点で記録された最高気温も併記します。
関東「涼しい場所」ランキング上位を発表
調査の結果、関東地方で最も涼しい場所として、標高の高い避暑地が上位を占める傾向が明確になりました。
1位:富士山(山梨県・静岡県)
栄えある第1位に輝いたのは、山梨県と静岡県にまたがる富士山でした。7月の平均日最高気温は驚きの10.7度を記録し、最も暑い日でも14.8度と、まさに別世界のような涼しさです。高地特有の気温の低さが際立ち、猛暑からの完璧な避難場所と言えるでしょう。
2位:奥日光(栃木県)
第2位は栃木県の奥日光です。平均日最高気温は24.5度で、最も暑かった日でも27.5度にとどまりました。奥日光地域は、中禅寺湖や華厳の滝をはじめとする豊かな自然に恵まれ、涼やかな水辺や森林が疲れた体を癒やしてくれます。都心からのアクセスも比較的良好で、夏のリフレッシュに最適な場所です。
3位:草津(群馬県)
第3位には、群馬県の温泉地として有名な草津がランクイン。平均日最高気温は26.4度でした。温泉のイメージが強い草津ですが、標高の高さから夏の平均気温も比較的低く、避暑地としての魅力も持ち合わせています。
その他の注目地点:勝浦(千葉県)
テレビなどのメディアで「涼しい」と度々取り上げられる千葉県の勝浦は、今回のランキングでは20位という結果になりました。平均日最高気温は29.9度で、上位の地点に比べると高めです。海沿いの地域は日中の気温が内陸より上がりにくい傾向はありますが、標高の高い山間部の避暑地とは異なる特性が見られました。
全ランキングの確認と関連情報
本記事では上位の一部をご紹介しましたが、全63地点のランキングを通じて、関東地方の多様な気温分布が明らかになります。さらに、当メディアでは「暑い場所」に関するランキングも公開しており、合わせてご覧いただくことで、より深く関東の気候特性を理解することができます。
まとめ
今年の7月は記録的な猛暑となりましたが、気象庁のデータに基づく分析により、関東地方にも涼しく過ごせる場所が明確に存在することが示されました。特に富士山、奥日光、草津といった高地の避暑地が、その涼しさで突出していることが分かりました。これらのデータは、夏のレジャーや旅行を計画する上で、具体的な情報源として役立つことでしょう。今後の気候変動を踏まえ、データに基づいた賢い避暑地の選択が、より快適な夏を過ごす鍵となります。
参考文献
- 気象庁. “月ごとの値”. 全国各地の気候データ.
- 東洋経済オンライン. “酷暑でも「涼しい場所」ランキングTOP63(関東)”.