鎌倉「聖地」観光公害:外国人迷惑行為が住民生活を脅かす現実

神奈川県鎌倉市の「鎌倉高校前」駅の踏切は、風光明媚な景観とアニメの「聖地」として国内外の観光客を惹きつける。しかし今、この場所で、外国人観光客による「観光公害」が深刻化。交通妨害やトイレ封鎖に伴う「野外排泄」の急増など、迷惑行為が地元住民の生活を脅かしている。

深刻化する観光公害:地元生活を脅かす迷惑行為の実態

『FRIDAYデジタル』の報道が明らかにしたように、鎌倉高校前駅周辺の外国人観光客による迷惑行為は広範かつ深刻だ。野外排泄に加え、ゴミの不法投棄、私有地への無断侵入、違法な「白タク」の横行が確認されている。江ノ電の混雑も常態化し、地元住民の日常生活に大きな支障をきたす。観光公害に耐えかね、地域を離れることを決断した住民も複数いる。「静かな環境は失われました」と、近くの住民は嘆き、引っ越した近隣世帯が2軒あると証言する。

鎌倉高校前駅の踏切で、平日にもかかわらず車道にまで溢れる外国人観光客。交通妨害の深刻な状況を示している。鎌倉高校前駅の踏切で、平日にもかかわらず車道にまで溢れる外国人観光客。交通妨害の深刻な状況を示している。

世界的ブームが呼ぶ「聖地巡礼」:二大人気アニメの影響

この踏切が外国人観光客を惹きつける背景には、2つの世界的ヒットアニメ作品がある。

一つは、1990年代のバスケットボール漫画『SLAM DUNK(スラムダンク)』。アニメオープニングの主人公・桜木花道が江ノ電を待つシーンは、この踏切が舞台だ。2022年公開の映画『THE FIRST SLAM DUNK』はアジア全域、特に中国で記録的な大ヒットとなり、ファンが「聖地巡礼」と称して当地を訪れるようになった。

もう一つは、『青春ブタ野郎』シリーズ。思春期の悩みを描いたこの作品では、鎌倉高校前駅や七里ヶ浜駅周辺が主要な舞台。中国、台湾、韓国を中心に熱狂的なファンが多く、これら2作品の影響で、鎌倉高校前駅周辺はアジアの若者にとって特別な「アニメの聖地」としての地位を確立した。

結論

鎌倉高校前駅は、世界的ヒットアニメの「聖地」として多くの観光客を惹きつける一方、外国人観光客による迷惑行為が深刻な観光公害を引き起こし、地元住民の生活環境を脅かしている。交通妨害、野外排泄、ゴミ不法投棄、白タク横行などの問題は、美しい観光地と地域住民の共存という、持続可能な観光に向けた喫緊の課題を突きつけている。

参考文献

Yahoo!ニュース (FRIDAYデジタル)