クマ被害相次ぎSNSでは「『羆嵐』を義務教育に」の声も…「骨をかみ砕く音」「妊婦の懇願」史上最悪の獣害“三毛別羆事件”を描いた作品の中身


クマによる人身被害が過去最悪ペースに

【写真を見る】340キロもの巨大ヒグマが女性や子供を襲った「三毛別羆事件」を復元

2023年度は、4月から翌年3月までに219人の被害者(うち死亡者6人)を出しているが、特に9月から被害が著しく増加し、10月の被害件数が統計のある2006年度以降で過去最多となっている。今年度も、これから更にクマによる被害が増える可能性を考慮しなければならないだろう。

8月には北海道斜里町の羅臼岳で26歳男性が襲われる

地元の北海道放送が報じた当時の様子からは、緊迫した状況が伝わってくる。同社によると、両太ももから大量に血を流しながらクマと格闘している被害男性に気づいた友人が、素手でクマを殴って追い払おうと必死に抵抗したものの敵わず、被害男性はクマによって茂みに引きずり込まれていったそうだ。

SNSでは「『羆嵐』を義務教育に」の声…一体どんな内容なのか? 

1915年12月、北海道北西部の苫前(とままえ)村で10人の婦女子がクマに殺傷される“日本史上最悪の獣害”が発生した(死者7人、負傷者3人)。この「三毛別羆(さんけべつひぐま)事件」をもとに吉村昭が描いたドキュメンタリー長編が『羆嵐』(新潮社)だ。同作では、臨月の妊婦を含む女性や子供が次々と犠牲になっていく様子が克明に描かれている。

短期間のうちに7人の死者を出した人喰いヒグマの凶行とはどのようなものだったのだろうか? 以下、『羆嵐』をもとに引用・再構成してお伝えする。

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