MARCH大学に3ヶ月で合格は都市伝説か?受験のプロが語る現実と真実

「大学受験」は、日本の10代にとって人生における最大のイベントの一つです。残念な側面もありますが、現在の日本社会において、良い大学に進学できれば希望する職業に就ける可能性が高まり、将来の選択肢が格段に増えるという現実があります。それほどまでに大学受験が持つインパクトは計り知れません。

このような時代において「自分らしい大学進学」を実現するための一冊として、書籍『17歳のときに知りたかった受験のこと、人生のこと。』が発売されました。本書は、受験のきれいごとを排し、「大学受験とはどういうものなのか」「人生とはどういうものなのか」を深く考察できる決定版です。今回は、発刊を記念して著者であるびーやま氏への特別インタビューをお届けします。

真剣な表情で受験勉強に励む学生の姿真剣な表情で受験勉強に励む学生の姿

「MARCHは3ヶ月で合格可能」は都市伝説か?

――最近、「MARCHは3ヶ月勉強すれば合格できる」といった話を耳にすることがあります。びーやまさんはこのことについてどう思われますか?

びーやま氏(以下:びーやま):はっきり言います。3ヶ月でMARCH(明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)に合格することは、一般的には不可能です。このような話は冗談半分の噂として広まっているに過ぎないので、受験生の皆さんには、このような根拠のない情報に惑わされず、地道にコツコツと努力を重ねてほしいと強く願っています。

加えて、どう解釈してもMARCH以上に進学できない学生の方が圧倒的に多いという事実を鑑みれば、「MARCHは高学歴ではない」という主張には無理があると言わざるを得ません。

「3ヶ月合格」のカラクリ:特殊なケースとは

――なるほど。それでは、なぜそのような話が生まれるのでしょうか?かなり特殊なケースなのですね。

びーやま:そうです。たしかに、ごく稀に3ヶ月の勉強でMARCHに合格する学生も存在します。しかし、そういった学生は非常に特殊な背景を持っています。例えば、もともと名門の進学校に在籍していたにもかかわらず、周りのレベルの高さや多科目の学習に疲弊して一時的に勉強を中断してしまった、いわゆる「落ちこぼれてしまった」学生が該当します。

彼らは、たとえ一時的に勉強から離れていても、そもそもの基礎学力が非常に高く、大学入試に必要な地頭や学習習慣が備わっています。進学校では、国公立大学至上主義の風潮から、受験直前まで多くの科目を並行して勉強することが求められ、対策が散漫になりがちです。しかし、彼らが私立大学であるMARCHに絞って3科目に集中することで、これまで培ってきた基礎学力が一気に開花し、短期間で成績を劇的に伸ばすことが可能になるのです。

これが「MARCH3ヶ月合格」と言われる話のカラクリであり、一般的な基礎学力を持つ学生に当てはまるものでは決してありません。

油断禁物!MARCH受験の現実

びーやま:毎年、「MARCHに入れれば十分」と考えている受験生は少なくありませんが、実際にその言葉ほど甘いものではないと肝に銘じてほしいと思います。

私たちが様々な大学生にインタビューを行う中で、「MARCHは受かると思っていたのですが…」と残念そうに答える学生は数多くいます。これは、未だにMARCH合格には明確な「壁」が存在することを示しています。

インターネット上では「MARCHは簡単!」といった無責任な言説が散見されますが、そのような発言をしている本人たちが本当にMARCH以上の学歴を持っているかどうかの保証もありません。安易に鵜呑みにせず、現実的な視点を持って受験勉強に取り組むことが何よりも重要です。自分にとっての「自分らしい大学進学」を目指し、着実に努力を重ねていくことが成功への道となります。


参考文献:

  • 『17歳のときに知りたかった受験のこと、人生のこと。』 びーやま著