クルド人ハスギュル被告に懲役8年の実刑判決:日本での生活と難民申請の背景

7月30日、12歳の少女への性的暴行罪に問われたクルド人男性ハスギュル・アッバス被告(22)に対し、さいたま地方裁判所は懲役8年の実刑判決を下しました。裁判長は、被告の「被害者の人格を一顧だにしない粗暴かつ卑劣な犯行」「反省の態度は全く見られない」と厳しく断罪。この判決は、在日クルド人の難民申請問題や外国籍住民と日本の法制度との関係を改めて浮き彫りにするもので、社会に大きな波紋を広げています。被告は現在、この判決を不服として控訴しています。

裁判と判決の概要

この度の判決は、ハスギュル・アッバス被告による性的暴行事件に対する司法の明確な姿勢を示すものです。さいたま地裁の裁判長は、被害者の尊厳を著しく侵害する行為であり、被告に反省の態度が見られない点を強く指摘しました。被告は22歳という若さで、既に過去にも同様の事件で有罪判決を受けており、その執行猶予中に今回の犯行に及んでいたことが明らかになっています。この事実は、司法制度における再犯防止の課題、そして外国籍住民が関わる事件の複雑な背景を浮き彫りにしています。被告が控訴したことで、裁判はさらに上の段階に進むことになります。

来日と難民申請の背景

記者は、公判中と判決後のハスギュル被告に面会し、その生い立ちと日本での生活について話を聞きました。被告は10歳の時、父親が日本で仕事をしている関係で、母親と共に来日しました。それ以来、12年間で4回にわたり難民申請を行ってきましたが、一度も認定されることはありませんでした。日本での生活は決して平坦ではなかったと語ります。中学校までは通ったものの、「勉強はあまりよくわからなかった」と語り、高校へは進学しませんでした。幼い頃からの難民申請の却下は、彼の日本社会での立場や将来に対する不安を常に付きまとわせていた可能性があります。

性的暴行事件で懲役8年の判決が下されたさいたま地方裁判所性的暴行事件で懲役8年の判決が下されたさいたま地方裁判所

過去の事件と現在の状況

逮捕時、ハスギュル被告は「自称解体業」と報じられましたが、彼自身は解体業に携わったことはないと否定しています。父親が解体業の会社を経営しているため、そのように報道されたのではないかとのことです。中学校卒業後は特に定職に就かず、以前の事件(14歳の少女への性的暴行で懲役1年、執行猶予3年の有罪判決)の後には「仕事もできる状態じゃなかった」と、心療内科に通院し薬を服用していたことを明かしました。この「前の事件」の執行猶予期間中に、今回の性的暴行事件を起こしています。これは、個人の精神的な問題と社会的な支援の必要性を示唆するとともに、再犯防止策の重要性を改めて問いかけるものです。

結婚と離婚の真相

公判中、被告が妻にアリバイ工作を依頼したことが指摘されましたが、被告は「無理やりはなにもやってないので頼んだ」と述べました。妻とはインスタグラムを通じて知り合い、昨年8月に結婚。同い年の日本人女性で、ネイルの仕事をしていました。日本滞在のために日本人女性と結婚するクルド人もいるとの指摘に対し、被告は「(自分は)違います。好きで結婚した」と強く否定し、配偶者ビザの申請もしていないと語りました。しかし、一審判決後の8月の面会では、6月に妻と離婚したことを明かしました。それでも、妻は面会に来てくれており、「待ってる」「信じてくれてるから」と語った被告の言葉は、複雑な人間関係の一端を垣間見せます。この証言は、単なる法的な裁きだけでなく、事件が個人の人生や人間関係にもたらす深刻な影響を示しています。

今回のハスギュル・アッバス被告への判決と彼自身の証言は、在日クルド人社会が抱える難民問題、法的・社会的な統合の課題、そして個人の精神状態が犯罪に与える影響など、多角的な側面を浮き彫りにしています。日本社会が多様化する中で、外国籍住民が直面する困難と、それに対する司法・社会福祉のあり方について、さらなる議論が求められています。

参考文献