上皇ご夫妻軽井沢ご静養の裏で加速する「美智子さまバッシング」:国民感情の複雑な変遷

2024年8月、上皇ご夫妻は長野県軽井沢町でのご静養に臨まれました。旧満州からの帰国者が開拓した「大日向開拓地」をご訪問され、キャベツ畑を散策される仲睦まじいお姿が報じられる一方、インターネット上では上皇后美智子さまに向けられた心無い誹謗中傷が飛び交い、その国民感情の複雑さが浮き彫りになっています。

退位後、過激化する美智子さまへの誹謗中傷

軽井沢でのご静養が発表されるやいなや、「税金の無駄遣い」「隠居しても目立ちたいのか」といった批判的な声がネット上で相次ぎました。特に、その多くは美智子さまに向けられたものであったと、ある皇室ジャーナリストは指摘します。ご夫妻が21日に軽井沢駅にご到着された際、多くの地元住民や観光客が出迎える中で、美智子さまがどこか浮かないご表情をされていたのは、こうした世間の批判を気にされていたからかもしれません。

2024年8月、長野県軽井沢でのご静養中、仲睦まじく散策される上皇ご夫妻2024年8月、長野県軽井沢でのご静養中、仲睦まじく散策される上皇ご夫妻

「ミッチーブーム」から一転、国民感情の複雑な変遷

かつて美智子さまは、1958年に当時の皇太子さま(現在の上皇さま)とのご婚約が発表された際、「ミッチーブーム」を巻き起こし、その可憐な姿と自由恋愛のエピソードは国民の憧れの的でした。その後も、国民に寄り添い、苦楽を共にしようと努力を惜しまないそのご姿勢は、多くの国民から尊敬を集めていました。しかし、上皇さまが退位され「上皇ご夫妻」となられて以降、状況は一変。お出ましになるたびに非難の声が相次ぎ、その過激さは日に日に増しているのが現状です。

「何をしても叩かれる」現状と専門家の見解

今年5月、上皇さまが「無症候性心筋虚血」で入院された際には、美智子さまがお見舞いに足を運ばれると、「目立とうとしている」「かわいそうな自分をアピールしている」といった言いがかりのようなネット上のコメントが見られました。皇室ジャーナリストは「お見舞いに行かなければ行かないで非難されるでしょう。今は“何をしても叩かれる”という手の打ちようのない状態」と現状の厳しさを語ります。

こうした過激なバッシングに対し、『皇室の窓』(テレビ東京系)の放送作家であるつげのり子さんは眉をひそめています。つげさんは、「上皇ご夫妻は令和のお代替わり以降、現在の両陛下よりも目立つことを避けていらっしゃるように見受けられます」と分析。さらに、5月の上皇さまのご入院時、美智子さまは5日間の入院期間中、一日も欠かすことなく病室へ足を運ばれたことに触れ、「退位前と変わらず、上皇さまをお支えするということにすべての力を注いでいらっしゃると拝察いたします」と、美智子さまの献身的なご姿勢を強調しました。

上皇ご夫妻が長野県軽井沢でのご静養を楽しまれる一方で、上皇后美智子さまに向けられるインターネット上の過激な誹謗中傷は、皇室と国民との間に横たわる複雑な感情の表れと言えるでしょう。かつての国民的アイドルから一転、常に批判の目に晒される現在の状況は、情報化社会における皇室報道の難しさを示唆しています。しかし、その根底には、上皇さまに献身的に寄り添い続ける美智子さまの変わらぬお姿があります。

参照元:
Yahoo!ニュース