高市早苗新総裁への自民党内批判が止まらない:公明党連立離脱と重鎮議員の発言波紋

自民党の高市早苗氏が新総裁に就任後、党内からの批判が収まらない状況が続いている。特に公明党が連立政権からの離脱を表明したことを受け、自民党執行部への責任論や高市新総裁の資質を問う声が相次いでいる。この一連の動きは、日本の政局に大きな波紋を広げている。

公明党、連立離脱の背景と自民党内の動揺

10日、公明党の斉藤鉄夫代表は高市新総裁に対し、連立政権からの離脱を正式に表明した。その背景には、「政治とカネをめぐる問題で意見の相違があった」とされている。この公明党の決定は、自民党内に大きな動揺をもたらした。複数の自民党議員からは、「執行部は連立離脱を阻止すべきだった」との批判が噴出し、党内の不満が表面化した。

公明党離脱表明後も発言を続ける高市早苗新総裁公明党離脱表明後も発言を続ける高市早苗新総裁

重鎮議員たちの「高市批判」の具体例

公明党の連立離脱表明を受け、自民党のベテラン議員たちからも高市新総裁を巡る厳しい意見が相次いでいる。

船田元氏の「再総裁選」提言

12日、元経済企画庁長官の船田元氏(71)は自身のフェイスブックを更新し、異例の提言を行った。「石破総理の退陣撤回をし、公明党と話し合いをやり直せないか」と問いかけた上で、「それも難しければ、高市総裁に一度退陣してもらい、総裁選をやり直すのはどうか」と踏み込んだ持論を展開した。これは、高市氏の総裁としての正当性やリーダーシップに疑問を投げかけるものとして、党内外から注目を集めた。

野田聖子氏の執行部への苦言

翌13日には、元総務大臣の野田聖子氏(65)も音声プラットフォーム「Voicy」で発言。「自民党のトップのような人たちは、常に自公でやってきても、アンチの発言が多かった」と述べ、公明党との関係構築における自民党執行部の姿勢に批判的な見方を示した。この発言は、連立維持への努力不足を指摘するメッセージとも受け取れる。

野村哲郎氏の「問題発言」と世論の反応

こうした状況の中、元農水大臣の野村哲郎氏(81)の発言が特に大きな波紋を呼んでいる。

高市新総裁への疑問表明

11日に鹿児島で開催された党会合で、野村氏は「(新総裁が)高市さんでよかったのかなというのは悔やまれてならない。公明も高市さんに対するアレルギーがあったのではないか」と発言した。これは、高市新総裁が公明党との連携を円滑に進める上で適任だったのかという直接的な疑問を呈するものであり、党内の一部の不満を代弁する形となった。

ネット上での批判の声

野村氏のこの発言に対し、ネットニュースのコメント欄では、その「奔放」な物言いに批判的な意見が多数寄せられた。

  • 「今になって同党の人間がぐだぐだいうのはみっともない。さっさとご勇退された方がよろしいかと…」
  • 「この野村元農相は、懲りずに問題発言が多過ぎる。」
  • 「野村氏の高市氏に対するアレルギー発言や本当に高市氏で良かったのか発言は、極めて失礼な発言である。」
  • 「公明党が離脱したことに対してまるで自民党にとっては高市総裁になれば不要と判断する予定だったとかコメントする議員や党員がいるようだが、ふざけるんじゃないと言いたい。」
    これらの声は、党内の混乱を公にすることへの反発や、総裁選の結果を尊重すべきだという意見を示している。

過去の「小泉進次郎氏への小言」との共通点

実は、野村氏の発言が物議を醸したのは今回が初めてではない。5月には、当時の小泉進次郎農水大臣(44)が党の手続きを経ずに備蓄米の売り渡しを進めたことに対し、野村氏は「小泉(進次郎)農水相はお父さんに似ていて、あまり相談することなく、自分で判断したものをどんどんマスコミに発表している」と批判した。現職の農水大臣に対する「経験者」としての野村氏の「上から目線」の物言いは、「イチャモンすぎる」と当時も多くの批判を浴びた経緯がある。今回の高市新総裁への発言も、野村氏の長年の政治経験に基づく不満の表れと見る向きが強い。

結論

自民党の高市早苗新総裁は、就任早々、公明党の連立離脱表明と党内重鎮議員からの相次ぐ批判という厳しい状況に直面している。特に野村哲郎氏のようなベテラン議員からの直接的な疑問の声は、党内の根深い亀裂を浮き彫りにした。高市新総裁にとって、これらの党内不和をいかに収束させ、公明党との関係を再構築するかが、今後の政権運営における喫緊の課題となるだろう。

参考文献