自民党とNHK党の参院会派結成に兵庫県議団が猛反発 立花氏の「謝罪」が火に油

長らく懸念されていた事態が現実となった。毎日新聞が10月22日に報じたところによると、自民党と「NHKから国民を守る党」(NHK党)の所属議員が参議院で会派を結成したことに対し、兵庫県議会の自民党県議団が強い抗議の姿勢を示している。県議団は自民党の松山政司参院議員会長(66)に対し、経緯説明と会派合流の破棄を申し入れる方針を決定。自民党兵庫県連も同様に説明を求めていくという。この自民党 NHK党 参院会派の結成は、自民党内部、特に地方組織に大きな波紋を広げている。

兵庫県議団からの強い反発とその背景

兵庫県議団の谷口俊介幹事長(47)は、「NHK党と一緒にやること自体に疑義を抱かざるを得ない。党からは何の説明もなく、有権者への説明も成り立たない」と発言。産経新聞も「自民党・無所属の会の結成後、自民県議団は総会を開き、意見書の提出を全会一致で決定」と報じた。

この強い反発には深い背景がある。自民党所属の奥谷謙一県議(40)は、過去にNHK党の立花孝志氏(58)から度重なる誹謗中傷を受け、刑事告訴に至っている。この経緯から、「一緒にやるなんて考えられない」という奥谷県議の思いは強く、自民党県議のほぼ全員が「一緒にやることに疑義を抱かざるを得ない」と表明。さらに、自民党以外の県議からも「ありえない」との声が上がっている状況だ。

立花孝志氏の「謝罪動画」が波紋を呼ぶ

兵庫自民党からの抗議を受け、NHK党の立花孝志党首は自身のYouTubeチャンネルに「奥谷謙一さんごめんなさい 許してください」と題する動画を投稿した。しかし、この動画の内容がさらなる顰蹙を買っている。動画の中で立花氏は、「私どもは、高市総理とお話しさせていただいて会派に入れていただいたんです。で、まあ、奥谷様のお気持ちは分からなくはないんですが、もうここはもう、もうチャラにしましょう。一緒にやろうよ、奥谷君。(中略)もう僕が過去いらんことしたから、奥谷君許して。もう靴の舐めにいってもいいわ」と語り、舌を出して舐めるしぐさを見せた。

この一連の行動に対し、SNS上では「謝罪じゃなくて、おちょくっているのが明らか」「ふざけるのもいいかげんにしろ」といった非難の声が殺到。どう見ても真摯な謝罪とは受け取られず、「謝罪動画」がまさに火に油を注ぐ形となった。実際、この謝罪動画投稿前には、立花氏は奥谷県議や兵庫県選出の自民党参議院議員副会長である末松信介参議院議員に対し、「(自分たちより)軽く見られているんじゃないか」「兵庫県議は高市首相に好かれていないと思う」と揶揄した上で、「文句があるんだったら自民党やめたら。奥谷君も末松先生も」と挑発的な発言をしていた経緯がある。

自民党とNHK党の会派結成に波紋が広がる政治状況を示すイメージ自民党とNHK党の会派結成に波紋が広がる政治状況を示すイメージ

自民党中央の立場と今後の展望

兵庫自民が本気で怒っていることが明確になり、表向きは「謝罪動画」が投稿されたものの、その内容は謝罪とはかけ離れたものだった。前出の全国紙記者は、「“謝罪動画”は火に油を注ぎましたね。齊藤健一郎議員によると、西田昌司参議院議員を通じて、石井準一参院幹事長の内諾を得て、松山参院議員会長と面談し合意に至ったと言っています。当然、高市氏も知っているでしょう」と指摘。

なぜ自民党は齊藤議員と会派を組むことになったのか。会派入りを許可した松山議員の事務所からの回答によれば、「役員会および、参議院議員総会に報告するなど、ちゃんと手続きを踏んで決定した」とのこと。また、自民党が齊藤議員と会派を組んだ理由については、「『N国党』は政党要件を満たしていないので齊藤議員はあくまで無所属です。政策協議を行って、自民党の意向に沿っていただけるということで会派を組むことになった」と説明した。兵庫県の自民党県議団への説明に関しては、「兵庫県議団には県連を通じて説明している」としている。さらに、会派合流解消の可能性については、「自民党のルールに則って行動していただければ、合流解消ということはない」と述べ、松山議員は齊藤議員が会派から抜けることはないという認識を示している。

結論

松山議員の見解では、齊藤議員の会派離脱はないとされているが、兵庫県議団の怒りが収まるかは不透明だ。この一連の動きは、兵庫県の自民党県議だけでなく、「自民党議員の9割が疑義を抱いている」とも伝えられており、今後、自民党内部でさらなる波乱が起きる可能性が高い。今回の自民党 NHK党 参院会派問題は、自民党が予期せぬ「爆弾」を抱え込んだことを明確に示しており、今後の政治動向に注目が集まる。

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