猿田佐世弁護士の「日中関係」発言が物議、Xで批判殺到「中国の代弁か」

12月1日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)に出演した弁護士の猿田佐世氏の発言が、ソーシャルメディア「X」上で大きな批判を呼んでいます。この日の番組では、日本人アーティストの中国公演が相次いで中止に追い込まれている問題を取り上げ、日本の著名人によるコメントが注目されました。

中国公演中止問題と猿田氏の発言背景

番組では、人気歌手の大槻マキさんがバンダイナムコのイベントで歌唱中に退場させられた事例や、浜崎あゆみさんの上海公演が中止となり無観客ライブに切り替えられた騒動が解説されました。これらの出来事は、日本と中国の関係悪化を背景に、文化交流の場にも影響が及んでいる現状を浮き彫りにしています。この状況に対し、猿田弁護士は独自の視点から見解を述べました。

『羽鳥慎一モーニングショー』の司会を務める羽鳥慎一アナウンサー『羽鳥慎一モーニングショー』の司会を務める羽鳥慎一アナウンサー

「日本が中国を挑発」猿田氏の持論と根拠

猿田氏は番組内で「世界中の国を見渡しても、日本ほど中国ともめている国は、今はどこもない」と持論を展開しました。さらに、「アメリカですら、中国との関係は丁寧にやっている」と指摘し、「そのアメリカをも飛び越えて、中国を挑発しちゃっている状況になっていると思う」と発言。日本側が中国を「挑発している」という認識を示し、現状の関係悪化の要因を日本側にも求めているかのような発言は、多くの視聴者に衝撃を与えました。

新外交イニシアティブと発言への批判

猿田佐世氏は弁護士であると同時に、日米や東アジアに関する情報収集・発信、政策提言サポートを目的とするシンクタンク「新外交イニシアティブ」の代表も務めています。評議員には東京大学の藤原帰一教授らが名を連ねています。しかし、今回の「日本が中国を挑発している」という発言に対し、SNS上では疑問や批判の声が多数寄せられました。

あるXユーザーは「猿田佐世さんのご主張は、実際に軍事衝突している国が複数あることから考えると無理筋かなあ」と指摘。また別のユーザーは「……いや、それ中国の視点ですよね? なぜか日本の番組で中国の代弁 経済を理由に中国へひれ伏せと言わんばかり」と、猿田氏の発言が中国側の主張を代弁しているかのように聞こえると批判しました。実際に日本人歌手の公演を妨害しているのは中国側であるという事実と、猿田氏の発言の間に乖離を感じた視聴者も少なくなかったようです。

シンクタンクが語る「民間外交」の重要性

「新外交イニシアティブ」の公式Xでは、猿田氏の番組での発言を書き起こしたレポートを公開しています。その中で猿田氏は、「政府同士の関係は、最悪と言っていいぐらい悪いのですけれども、『経済的に絶対、日本は切れない』とか、あるいは『国際結婚が進んでいる』、『留学生がたくさんいる』、『日本にはたくさん中国人がいる』など、絶対戦争なんかできないよねという関係を密に作っていく。『民間外交の制度化』なんて、私たちは言うんですけれども、それこそが日本を安全にすると思います」と述べ、中国との関係性を深める「民間外交」の重要性を強調しています。政府間の関係が悪化している中でも、経済や人的交流を通じて安定した関係を築くべきだという提言です。

コメンテーター発言の波紋と今後の注目点

外国人問題は現在の日本国内で大きな関心事であり、情報番組で取り扱われるテーマの中でも特に注目されています。このような状況下で、コメンテーターの発言は常に厳しく注視され、その内容次第では視聴者からの批判が集中する可能性をはらんでいます。そのため、テレビのコメンテーターには非常に難しい立ち回りが求められています。猿田氏の今後の発言についても、引き続き世間の大きな注目が集まることは避けられないでしょう。