忘年会などで飲酒の機会が増える12月は、飲酒運転による交通事故件数が年間で最多となっている(警察庁交通局の飲酒運転事故関連統計資料より、平成22~26年の累計)。年が明けても、新年会などが控えており、年末年始をはじめ、重大な事故につながる飲酒運転には年間を通じて注意が必要だ。
社用車やマイカー通勤の事故は企業にも責任
飲酒翌日は運転者自身にアルコールが残っている自覚が少なく、チェックしづらい。対策として有効なのがアルコール検知器の活用だ。トラックやバス、タクシーなど、アルコール検知器の使用が義務化されている自動車運送事業者はもちろん、一般の企業などでも危機管理とコンプライアンス(法令順守)の一環としてアルコール検知器を活用する動きが広がっている。
というのも、社用車を運転する社員や、マイカー通勤の社員に前日のアルコールが残っていると、飲酒運転になり、安全運転管理者や企業の責任も問われるからだ。
社員が加害者になった場合、企業も連帯して損害賠償請求を受ける可能性がある。業務で運転する前にアルコール検知器でチェックをしたり、社員にアルコール検知器を配り、自宅を出発する前にチェックをさせたりする使い方が推奨されている。
営業車などを使う一般企業もリスク回避を
全日本交通安全協会によると、従業員の飲酒運転はドライバーだけでなく企業の責任も追及されるということがあまり認識されていないという。中でも、見落としがちなものが飲んだ翌日の酒気残り運転だ。「飲んで運転しないようにするのは当然ですが、飲んだ翌日の体にアルコールが残った状態、いわゆる酒気残り運転を見落としがちです」
対策として、社用車を運転する前にアルコール検知器を使用してチェック、確認する企業が増えてきている。
「最近ではマイカー利用者にも、自宅でハンドルを握る前に呼気を検査するように、アルコール検知器を配布している企業もあり、運転者の体調や酒残りをきちんとチェックすることが企業のリスクマネジメントとしても重要です。また、アルコール検知器は、精度の高い商品、つまり『ソシアック』のような、アルコール検知器協議会から認定を受けた製品を使用するのがベターです」
協会のホームページからも購入が可能な「ソシアック」とは…?
3万以上の採用実績のある「ソシアック」
活用が広がるアルコール検知機の中でも、注目されているのが「ソシアック」シリーズだ。同シリーズを開発、販売する中央自動車工業の担当者に特長などを聞いた。
「ソシアック」シリーズは平成14(2002)年に発売して以来、品質の高さと使いやすさから、すでに3万以上の企業や官公庁などで採用されているという。「ソシアック」をベースに開発した飲酒検問用のアルコール検知器は、100以上の警察署で第一次検査用として使用されるなど、実績を積み重ねてきた。
さらに、シリーズ全5機種が今年度からスタートした「アルコール検知器協議会」の外部検定制度で第三者機関による検定試験をクリアし「認定合格証」を取得。外部の厳しい検定に認められたことで、あらためて品質の高さを証明した形だ。
同社の営業開発部担当者は「全ての機種で日本製のセンサーを使っているので、センサー交換できるのもポイントの一つです」と説明する。使用が5000回を超えるか、1年~1年半の期間を目安に、交換すれば、新品を買い換えるよりも安価に使い続けられる。
シリーズのうち、最もスタンダードなのが自己管理型のパーソナルタイプ「ソシアック」(SC-103)、「ソシアックX」(SC-202)の2種類。大きさは一般的なICレコーダーと、ほぼ同じ手のひらサイズ。
使い方は、カウントダウンに合わせて息を吹きかけるだけ。「ソシアックX」には息を吹きかけなかったときにエラーを表示する機能を加え、吹きかける前や吹きかけを終えるタイミングを電子音で知らせるなど、より使いやすくしている。
ハイグレードタイプ「ソシアックα」(SC-402)、「ソシアックαネクスト」(SC-403)は、アルコール成分への反応精度をより高めるためにハイブリッドセンサーを採用した。大きさはスマートフォンくらい。吹きかけるだけでなく、一層精度の高い測定が可能なマウスピースを使ったり、市販のストローを挿して衛生的に使ったりすることもできる。
センサーの寿命は1年半から2年に延び、耐久性も高めている。「ソシアックαネクスト」は測定履歴を15件まで本体に保存することができ、「例えば、出張や外泊先など、長距離運転のときに帰ってから数値を確認することができます」。
プロ仕様タイプの「ソシアック・プロ」(SC-302)は、パソコンと連携してデータを管理することができる。「運送事業者様が記載、管理しなければならない点呼記録簿の様式に沿った帳票が自動的に出力されます。CSVファイルでも出力できますので、一般企業様なども活用できます」。
アルコールは自動車の運転だけでなく、危険を伴う作業の現場、精密機器の製造や管理、対面の接客や営業などにもリスクを発生させる。「アルコール検知器というと運送事業者向けというイメージが強いですが、一般企業様から問い合わせが増えたことで、昨年から総務の方を対象にした展示会にも出展しています」。展示会などを通じた普及活動のなかで、企業がアルコール対策に取り組まなければいけないという認識が浸透してきた手応えを感じるという。
【会社メモ】中央自動車工業 昭和21(1946)年設立。自動車部品、用品、新商品と関連サービスの開発・販売、輸出入を行う。本社:大阪市北区中之島4-2-30
提供:中央自動車工業株式会社