大阪府の吉村洋文知事が14日にも民間事業者に対する休業要請の「段階的解除」の可否を判断する方針になったことを受け、関西の事業者は、要請の対象か自主的に休業しているかにかかわらず、営業再開への期待を高めている。サーモグラフィーを使った来客の検温や「3密」回避など、再開を見据えた新型コロナウイルスへの感染対策も怠りない。(山本考志、田村慶子、黒川信雄)
再開の採算は?
およそ800の店舗が軒を連ね、全長2・6キロと日本一の長さを誇る商店街「天神橋筋商店街」(大阪市北区)。飲食店を中心に商店街の2~3割程度が府の要請に応じ休業しているが、営業再開への動きも出始めた。商店街組合の関係者によると、店内の清掃などを始める店が出てきたという。
同商店街や周辺に飲食店4店を運営する「ICHI」は休業要請に応じ、2店舗をテークアウト用商品の仕込みに利用。残る2店舗の営業を午後8時までに短縮している。休業要請が段階的に解除された場合を想定し、営業中の2店舗の営業時間を午後10時までに延長して採算が合うか、検討を始めた。